第19話 町を占拠せよ!

「ロコから聞いたこの国の文化水準ならば、戦闘アンドロイド55人は過剰兵力かも知れん! しかしゲスダ王国の存在は許せんものがある!! 早急に殲滅し奴隷を速やかに解放する! 進撃開始せよ!!」


 3機のドローンの報告で、西2㎞の所に町があり、町を占領し全線基地とする予定だ。


 ゴロー達5人を残し、3機のドローンに奈々と50人の戦闘アンドロイドは、私の「早急に殲滅し奴隷を速やかに解放する! 進撃開始せよ!!」の指事遂行の為か高速移動を開始、一気に見えなくなった。


 ロコを背負った私は結構速足のつもりだが、15分歩いてやっと町が見えて来た。

「ロコさん、あの町は何て名?」

「東最果て町です」

「最果て? 街道はもっと東に続いて居るのに?」


「ゲスダ王国の東最果てって意味で、街道の東には国境町が在って、カスダ王国に続いて居ます」


「ゲスやカスって国名で、国民が平気で居られるのが不思議だ」

「東の蛮族の英雄ゲスダとカスダに因んだ国名だそうです」


「東の蛮族? ロコさんはこの国の人間じゃ無いの?」

「違います! 私達はサイエン国の文明人です」



「セキハラ隊長、町の完全占拠終了しました!」

「完全占拠? 早かったな」

「アンドロイドは殺人出来ませんが、ドローンは単純で敵か味方の判断で殺戮します」


「ドローンって偵察用と思ってたが、そんな危険な物だったのか」

「単純なドローンは『ゲスダ王国の存在は許せん』とのセキハラ隊長の指示に従った行動です」


 感情での発言は控え、指示も考えて与えないと大変な結果に成りそうだ。

 反省は大切だが、今回に置いて後悔はしない。


 と思ったが、町の死屍累々とした悲惨な情景を見て思いは変わった。

「これは……流石にやり過ぎじゃ無いか」

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ナナフシ擬態TSから猫まで変化する私、私達新人類は問題多い地球から次元転移で逃げ出す事になりました 犬時保志 @ysxyz

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