異次元エクソダス編

第12話 栄光へのエクソダス

「各国の新人類亡命受け入れは終った、残るは敵対行為する新人類のみ」

 知識チートの頭脳陣の開発した、次元転移装置の作動を試みるだけになった。


「回収可能な静止衛星は全て回収しました! 回収不能な大型衛星は自爆済み、破片を回収されても技術漏洩する事は有りません! 多くの破片は引力で落下し、燃え尽きました」


「各国に派遣した同胞、協力者が全員、資材と共に帰還しました」

 この時点で、新人類島の人口は、新人類1251人協力者3276人、総人口4527人だった。

 問題国とアジア最大の2国からの亡命は0だった。

 宇宙家族ロビンソンのザックレー・スミス的な者は皆無になった。


 結果的には、何が起こるか予想の立たない大転移、異分子の参加の無い事は喜ばしい事だ。


 転移にあたり、転移先に外来種の動植物繁殖防止、牛豚鶏に山羊羊の家畜以外、犬猫などペットは禁止され、島から害獣に有害雑草ゴキブリなどの害虫も一掃された。


 考えられる全ての対策を終え、新人島の市長、建国で総理に就任した、猴真武さるまたけ 最首さいしゅ氏が、転移装置作動の号令を発した。


 新人類協和国の首脳陣は、親類縁者に迷惑が及ばない様に全員偽名を名乗って居た。

 当然、猴真武氏も偽名だ。


 転移先はG98世界、先住民の文明度は低く中世から近世の中間と観測された。

 各種シュミレーションの結果、島と周辺施設を安定した転移させ定着させる為に、最も適した地形が有る世界だったからだ。


 転移装置は、近辺海域岩盤深く大気混みで転移作動した。


 電磁バリアーに守られた新人類協和国、バリアー全体が一瞬輝き全てが消えた。

 消滅した広域空間に、海水と大気が爆発的に押し寄せ、暴風雨に大時化おおしけの天変地異が続き、世界中の沿岸に津波警報が発令された。


 有形無形の敵対視する、世界各国に災害の置き土産を残し、新人類協和国が地球上から消えた。

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