第19話
その永倉ジュニアの車は、
いかにもって感じの黒いベンツで。
その永倉ジュニア自体も、いかにもって感じの人だった。
一夜と二人、ラブホテルから出ると、すぐそこに停まっていた黒いベンツの前方の左右の扉から、
二人の男性が降りて来た。
どちらかが永倉ジュニアだろう。
どちらでも、見るからにヤクザって感じの人。
「ジュニア、迎えに来させてごめんね」
「いえ。うちの店すぐそこなんで。
それよりも、うちの若い衆の事で、加賀見会長の事迄呼び出す事になってすみません」
そう言ったのは、その二人の男性の、背が高い方の人。
この人が永倉ジュニア。
それにしても、怖いけど、凄く綺麗な顔をした男性だな。
「ホント。せっかく盛り上がっていたのに、ねぇ?」
と、一夜はこちらを見て来る。
一夜が私を見るから、その永倉ジュニアも私に視線を向けた。
そうやって見られているだけでも、睨まれているみたいで凄く怖い。
「この子、綾瀬真湖ちゃん!
ジュニア、悪いけど先に真湖ちゃんの事送ってあげて?
M駅近くの、高層のマンションだから」
そう告げる一夜。
何故、私の住んでいる所を知っているのか?と思ったけど。
これも、学生証を見たから知っているのか、と思い当たる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます