ありがとうについての個人的な考え方をまとめてみた
こへへい
ありがとうについての個人的な考え方をまとめてみた
ありがとうとは、自身が社会に属していることへの自覚である。
突然なんか変なことを言っていると思われたかもしれないが、まぁ僕の戯言に付き合ってほしい。後悔はさせない。
「ありがとう」とは何だろうか。感謝。感激、あめあられ。
何かしらの恩恵を受けたことに対する礼、それが感謝だろう。
なら、礼って何? 何をもって礼と定義する? 気持ちなのか? もう少し
細分化というか、具体化というか、次元を大きくして考えることができないだろうか。
ということで考えてみた。
例えばの話。登校中に貴方はいくつのありがとうという感情を覚えただろう。
まずは朝を起き、朝ごはんを食べ、着替え、教科書を鞄に詰めて家を出る。
いつも通りの通学路を真っすぐ進み、黄色い旗を持ったおじさんに挨拶をしたり、犬の散歩をするご近所さんに挨拶したりして。
年齢によっては電車通学をすることだろう。親が買い与えた定期券を利用したり、その定期券も通学割引によって少し安く利用できたり。
そうしてこの文章を見ている人は、いつも通りの日常を始めることだろう。
さて、ここで質問だ。心して答えてみてほしい。
「貴方は今日、何回ありがとうと『自覚』した?」
この『自覚』というのが重要だ。人によっては1桁の人もいれば、二桁を越えて三桁の人もいるかもしれない。だとするとその違いはなんだろう。
僕はそこがありがとうの肝だと考えている。
電車通学のために定期券を親が買い与えたという点については、そんなコストを代わりに背負ってくれた両親に対してありがとうと思うことができるだろう。それは想像に難くない。
だが、朝を起きること。もうその時点でありがとうだ、と言えば、一体100人中何人が首を縦に振るだろうか。少なくとも前者と比べては人数が減るのではないだろうか。ふかふかの布団に包まれて毎晩夜を過ごすことができる事に感謝する人間なんて、この平和な日本では超少数派だろう。
ここまで読んでくれた人ならば察してくれる人はいるだろう。
ありがとうの自覚をする回数が多い人は、その分小さな当たり前を意識することができるということだ。
この世の中には当たり前が溢れている。その当たり前を慈しみ、享受することに敬意を表すること。それがありがとうの質を高めてくれるのだ。
ああ、当たり前よありがとう。明日からはそんな当たり前を重んじて生きていくよ。
が、まだ足りない。
当たり前に感謝が出来て良かったね、だけではまだ足りない。僕はその先について考えてみた。
当たり前を感謝すること。なるほど、確かに大事かもしれない。親から当たり前のように寝食を提供してもらい、すくすくと成長できるというのは世界単位で見るとありがたいのだろう。
では、そのありがたいサービスを提供してくれるのは一体誰なんだろうか。僕はここに着目した。
この誰か、と表現したのには訳がある。それは、感謝するためには必ず自分以外の相手を必要だということだ。
先のお話ならば、親がそうだろう。
更には朝ごはんを食べること。ここを白米と考える。白米を入手するためには米を育てた人間が必要だし、その米を精米し、スーパーに卸して来る人も必要になる。そしてその米を運ぶには車のような自動車が必要だし、その自動車を使うためには先人が培った科学技術の知恵を結集しなければならない。更には安全に運転するために道路を舗装し……。
とまぁこんな風に、我々が食卓で米を美味しく食べるためには、様々な人間の力を必要とする。
さて、このように人々が各々の役割をこなすことで、自分じゃない誰かのために働くようなこの行動というか、現象というか、生き物の特性を何と言うのか。
それが、社会だ。
社会は人知れず僕らの人生を支えてくれているのだ。社会に属しているからその恩恵を得ることが出来ているのだ。
もし社会に属していなかった場合。反社会な人間だと見なされるとする。
すると、社会が管轄している場所に立っているだけで目の敵にされること請け合いだろう。何故かって? 社会の敵なんだから。社会サービスである道路を踏む資格はない。犯罪者が警察に捕まってしまうのはそのためだ。社会という大きな生き物が、犯罪者という社会に反する行動をとるばい菌を自浄しないわけがない。
そう思うと、我々が生きている、ただそれだけで何かしらに感謝することができるのではなかろうか。それを僕は伝えたかったのだ。
人が1人では生きていけないという言葉があるが、もしかするとそういう意味なのかもしれない。
そしてここまで僕の考えに耳を傾けてくれた物好きに、僕は感謝の意を表する。
貴方の人生がこの瞬間から、より多くありがとうと思えるようになることを祈っている。
ありがとうについての個人的な考え方をまとめてみた こへへい @k_oh_e
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