第17話お嬢様は(引き)抜くそうです。

「リリアさん大丈夫ですか?」




「執事さん、私は大丈夫ですけどあれを…」




そういってリリアは奥の草むらに視線を向けた。




「マンドラゴラの繁殖地ですね。」




「あら、リリア無事みたいね。」




「お嬢様も一人で来れて偉いですね。」




「ええ、それより奥の草って全部マンドラゴラよね?」




「はい。恐らくあの草むらに【ジャイアントマンドラゴラ】がある確率が1番高いかと…」




「では、早速採ってみましょう!」




「ねえ執事さん、マンドラゴラの叫び声って精神が弱い方が聴くと下手したら死ぬって噂があるけどメアリは大丈夫なの?」




「確かに精神が弱かったり罪悪感が強い方にはきついですけど……多分お嬢様なら大丈夫ですよ。」




「シニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイ!!!」




「もう!草の癖にうるさいのよ!早く【ジャイアントマンドラゴラ】出てきなさいよ。」




「どうしてメアリはマンドラゴラをあんなに抜いておいて平気なの?」




「それはお嬢様が自分のやることに全く罪悪感を持たない常に自分が正しいと思っている自己中だからですね。」




「今私のこと自己中と言ったかしら?たかが草に精神が汚染されるナメクジメンタルな奴らが悪いのよ。それよりも早くあなたたちも手伝いなさい。」




「へーい」




「うん…」




「ギャアアアアイタイヨ―!」




「お嬢様、何か物凄い心が痛みます!」




「あら、猿にも良心があったのね。」




「お嬢様は良心が痛まないということはお嬢様は猿以下ということでよろしいでしょうか?」




「私はとっくに人間なんて超越しているのよ。いわば……神って奴かしら?」




「本気で言ってそうで少し恐いっすね。」




「モットモットーーー!」




「ツヨクヒキヌイテーーー!」




「メアリー!なんか私のマンドラゴラだけ変な叫び声出してるよー!」




「リリア凄いわ!もしかしたら私より女王様に向いているんじゃないの?」




「女王様に向いてるってなに!?ってなんか地中のマンドラゴラがこっちに向かって来てない!?」




「「「ゴホウビ-!」」」




「いやー!!来ないでー!」




「お嬢様、リリアさんがマンドラゴラを引きつけているうちにジャイアントマンドラゴラを探しましょう。」




「そうね。リリアったら流石だわ。自ら率先して囮役をやるなんて。」




「率先して囮役なんてやってないよ!?というか待ってマンドラゴラが自ら地表に出てきてなんかくっつき始めたのだけれど!?」




マンドラゴラの大群はリリアの上に覆い被さるように集まっていった。




「執事、もしかして面白いことが起きるんじゃない?」




「そうですね。凄い面倒くさいことが起きそうですね。」

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