第16話お嬢様はまた(踏み)抜くそうです。
~ダンジョン65階層~
「執事、リリアを解放してあげなさい。」
「へーい。」
「ぷはぁ!あれ、ここはダンジョンの中?…ってことはもしかして……。」
「ここが中央ダンジョン65階層。【ジャイアントマンドラゴラ】が出ると言われているところよ。」
「ここが…人類未到達層…。」
「ほら、感動に打ちひがれていないでそろそろ行くわよ。」
「お嬢様もリリアさんも僕の後ろを近くで歩いてください。」
「あら、執事。男前な台詞言うじゃない。思わず惚れそうだわ。」
「お嬢様はチョロいですね。男には気をつけてくださいね。」
「あら、訂正が必要みたいね。執事の知能が劇的に向上したら惚れるかもしれないわ。」
「その訂正を聴かなければ幸せな気分で居られたんですけどね。」
「ほら、二人ともイチャついていないで速く歩きましょう?私は一刻も速く帰りわ。」
「イチャついている…?リリア、あなたの眼は節穴かしら。なんだったら今ここで私が抜き取ってあげてもいいのよ。」
「謝るからさメアリ?その手に持っているペンチみたいの手から降ろしてくれない?」
「次、同じような発言したら○○を××して○×にするわよ。」
「お嬢様、小説で全て規制しないといけないようなことをいわないでください。」
カチ
「そうね、速く行きましょ…」
「…踏みましたね?」
「踏んだ感触から恐らく即発動型のトラップだわ。」
「逃げましょうか。」
「それしかないわね。」
「二人ともどうしてトラップ踏んだのにそんなに冷静なの!?」
その時大量の火矢が飛んできた。
「お嬢様とリリアさんは前の洞穴に入ってください、僕が盾になります!」
「リリア行くわよ!」
「うん!」
~洞穴にて~
「ふー、どうやらみんな無事みたいね。」
「そうですね。お嬢様もリリアさんも無事で安心しました。」
「ちょっと待った!?何で二人とも普通に話してるの?メアリはともかく執事さんの方は明らかに致命傷よね!?」
執事は指先から頭まで全身にかけて矢が刺さっていた。
「なに言ってるのリリア?普段の猿のような執事よりも矢がたくさん刺さって刺ウニのような執事の方がましじゃないの。」
「お嬢様、ケンカなら買いますよ?」
「あら、女性に暴力を振るのかしら?」
「女性じゃなくて幼児の間違いでしょう?」
「見た目のことかしら?それとも中身?」
「勿論どっちもですよ。」
「あの、二人ともケンカはその程度にしよ…多分」
「「リリア(さん)は黙りなさい(黙っていてください。)」」
ドンっ
「ちょ、二人とも押したら…」
リリアは洞穴の中を転がっていった。
「リリア!執事、速く助けなさい!」
「はい!」
どてどてどてドッカン!!
「ここは…」
転がった先でリリアが見た景色は一面に広がったマンドラゴラの繁殖地だった。
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