第15話お嬢様は(引き)抜きたいそうです。
~火曜日~
「ねえ、執事。私マンドラゴラが食べたいわ。」
「マンドラゴラ?また珍妙なものを欲しがりますね。」
「ってことで執事、ダンジョンに採りに行くわよ。」
「わざわざダンジョンに行かなくても市販のやつを買えばいいじゃないですか?」
「ちっちっち。甘いわね。まるでマンドラゴラのごとく甘いわね。」
「多分ですけどマンドラゴラは甘くないですよ。」
「私が欲しいのは【ジャイアントマンドラゴラ】なのよ。」
【ジャイアントマンドラゴラ】…中央ダンジョン65階以上のマンドラゴラの生息地に稀に生えてる通常の十倍以上大きいマンドラゴラ。
「断固拒否っす。」
「あなたに拒否権があるとでも?」
そういってメアリは執事に請求書を見せた。
「…これは?」
「あなたが日曜日に【地獄草】の悪夢から覚めるために使ったエリクサーの請求代よ。」
「…え?一、十、百………二億。……二億!?」
「今すぐ一括払いするか一緒にマンドラゴラ探しに行くか選ばないと解雇よ。」
「お嬢様あのエリクサーは経費で払えないんですか?」
「私の専属執事に法律は存在しないわ。」
「ブラックすぎません?」
「で、どうするの?」
「……喜んでマンドラゴラ採りに協力させていただきます。」
「よく言えました。」
そういってメアリは請求書を破り捨てた。
「じゃあ早速リリアも呼ぶわね。」
「65階層ですけどリリアさん生きられるんですかね。」
「そこは気合いよ。」
~二十分後~
「こんにちはー。」
「あら、リリア遅かったわね。」
「ごめんね。お出かけするって言っていたからどの服着るか選んでいたの。」
「…リリアさんその服はこれから行くお出かけにはオススメ出来ないかと…」
リリアはスカートの動きずらそうな格好をしていた。
「ほら、二人とも早く行くわよ。」
「ねえ、メアリ。今日はどこに行くの?」
「中央ダンジョン65階よ。」
「…………私少しお腹痛くなってきたから今日はパスしようかな。」
「安心しなさい。一度位なら死んでも【神薬竜の血】で復活させてあげるから。」
「死ぬ前提で話を進めないで!?嫌だ私帰る!」
「しょうがないわね。執事拘束して運び出すわよ。」
「お嬢様、学校では道徳の授業を受けたことがないのですか?」
「早くしなさい。エリクサー代請求するわよ。」
「リリアさんすみません…」
「え、執事さん嘘でしょ?ねえ、手に包帯なんて持たないでよ。」
ぐるぐるぐるぐる
「これじゃあまるでミイラわね。」
「リリアさん…本当にごめんなさい。」
「謝っていても仕方ないわ。執事、人に見つからないように早く行くわよ。」
「…台詞が完全に誘拐犯ですね。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます