第11話お嬢様はドラゴンを召喚するそうです。
「【災厄級ゾンビヘルドラゴンがここに出る】ってところかしら。」
「ちょっ、お嬢様!その前に付属の粉ってどこにあるのでしょうか?」
「…無いわね。」
「じゃ、じゃあドラゴンを召喚する前に粉を探しましょうよ。」
「執事、あえて予言の効力を下げるなんてチキンがすることよ。」
「お嬢様、説明書にある通りに物を使えないのは幼女以下ですよ。」
「つまり私が幼女に見えると言うことかしら。」
「お嬢様は鏡で自分を見たことがありますか?」
「失礼ね。流石に幼女ほど小さくはないわよ。」
「すみません、小学校六年生ぐらいですね。」
「え、私そんなに小さいかしら。」
「冗談ですよ。多分…」
「なんで分からないのよ。」
「まだキャラデザが分かっていないので…。実際どのぐらいの身長なんでしょうね。」
「まあいいわ。私の身長は読者の想像に任せて早くドラゴンを召喚しましょう。」
そういってメアリは紙に願いを書いた。
「結局付属の粉は使わないんすね。」
その瞬間紙が光【ゾンビヘルドラゴン】が出てきた。
「ギャアアアア」
「はあ…【八十%…「ちょっと待ちなさい!」」
「…なんですかお嬢様。」
「執事が技を使ったらすぐ終わってしまうでしょ?だから技を使わないであのドラゴンを倒して欲しいの。」
「え、絶対無理ですよね?」
「不可能を可能に出来てこそ私の執事なのよ。」
「ああぁ、やりますよ。やれば良いのでしょう。」
ドンっ
執事は壁を蹴ってドラゴンの顔面に拳をお見舞いした。
「グアアアア!」
「お嬢様!ドラゴンが炎が吐きます!気をつけて下さい。…ふんっ」
執事はドラゴンの眼球に拳を刺した。
「ギャアアアア!」
「執事ー、なかなかえげつないことするわねー!ドラゴンが可哀想に見えてきたわ。」
「お嬢様ー、一つ問題が出てきました!ドラゴンに対して決定打がありません!」
「グアアアア」
ドラゴンが空中にいた執事の腹を爪で引っ掻いた。
「執事、大丈夫?」
「痛いっす。もう普通に倒して良いですか?」
「しょうがないわね。1回だけ技の使用を許可するわ。」
「ありがとうございます。」
そういって執事は壁を蹴りドラゴンの頭の上に立っていた。
「【120%憤怒パンチ】」
バゴォォォン
「ギャアアアアアアアア」
「見て執事!これってあのドラゴンの魔石よね?凄い……大きいです…」
「あの…これって業務内手当てって出るんでしょうか?」
「普通なら出るでしょうけどあなたの場合どうなのでしょうね?」
「え」
「ほら、帰りましょう?」
「…へーい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
~屋敷にて~
「おお、メアリ。探したんだぞ!」
「お父様、まだ屋敷が建っていないそうですが今日はどこに住むんですか?」
「そうだ!メアリ、君が屋敷を燃やしたのかい?」
「それについて詳しく事情を説明しますね。実はお父様から貰った予言書に書いた予言が叶ったのです。でも執事が叶わない叶わないうるさくて、叶うならなにか大きいことを書いてみろと言ってきたのですわ。」
あ、これすっごい嫌な予感がする。
「ちょっと待って下さい!」
「執事!今はメアリが話しているぞ。」
「すみません…」
「だから私は屋敷が燃えると書いたのです。」
「弁解させてください!」
「あら、執事?まだ私の話は続いていますよ?」
「…失礼しました」
「お父様、でもこの傷を見て下さい。」
そういってメアリは執事の爪跡を指さした。
「これは?」
「ダンジョンで私が傷つけられそうになったとき執事が体を張って守ってくれたのです。」
「そうか…メアリも怖かっただろう。今日のところは別荘でゆっくり休みなさい。」
「はい。」
「それで執事君、君はメアリを守った功績を称え反省文だけで許そう。」
「え、あの僕の弁解は聴いてもらえないんですか?」
「五百枚で許そう。ほら、早く別荘に執事君も移動するんだ。」
「弁解は…」
この日執事はこの仕事を辞めるか少し迷った。
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