第9話お嬢様は予言書を読むそうです。
「ねえ執事、私の専属メイドなのにここ三日ほどいなかったのはどうしてなのよ?今日も学校にきてなかったじゃない?私の専属メイド失格よ全く。」
「誰かさんが裸を見たとか言ったせいで反省文を書いていたんですよ。」
「見たのは本当でしょう?私は嘘を言っていないわ。」
「僕は言わないで欲しいと言ったんすけどね。」
「まあいいわ。今日もダンジョンに行くのだけれどその前に一つやりたいことがあるの?」
「ダンジョンに行くことが生きがいであるお嬢様がダンジョンよりも優先することがあるなんて…明日は星が滅びますね。」
「私のお陰で滅びるんだったら星も嬉しいでしょうね。」
「それでダンジョンに行く前に何をするのですか?」
「てれてれてれてれ…てってれー【予言書ー】」
そういってメアリは分厚い本を取り出した。
「お嬢様また変な物を掴まされたんすか?」
「あら、これはお父様が買ってきた本なのよ。」
「失礼、変な物であることは確定ですね。」
6年間お嬢様が主人様から貰ってきた遊び道具が変な物じゃ無かったことがない。
「これはお父様が五千万で買ってきた本なのよ。きっと性能は保証されているわ。」
「五千万って桁が四つぐらいバグってません?」
「とりあえず開けてみないと分からないわ。」
パカ
「お嬢様、中身スカスカなんですけど。」
予言書は段ボールのような物が詰められていて本の紙は十枚しか入っていなかった。
「これはもしかして騙されたのかしら?」
「お嬢様はやはり馬鹿ですね。どう考えても一冊の本が五千万の値段が付くわけないじゃないないすか。もう少し頭を使って日頃から行動した方がよろしいかと…」
「…この本を買ってきたのはお父様だからお父様にそう伝えておくわね。」
「やはり人間、時には思い切って何かを買うことも大切ですね。…たとえそれが失敗に終わることが分かっていても。」
「なにこれ?【自分で作る!?予言書の使い方~】って説明書が入っているわよ。執事ちょっと読んでみなさい。」
「【その①予言書の脇に入っている段ボールの中のペンを取り出す。そしたら十枚にこれから起こると思った事を書く。その後付属の粉を振りかけて予言書の効力を下げる。これで君もノ○トラダムスだ!】」
「執事、その①が長すぎるわ。工程の順番も読めないほど人間として退化してしまったの?」
「ロリ嬢様、説明書にあることをそのまま読んだだけなんすけど…。」
「今、お嬢様じゃなくてロリお嬢様って呼んだわよね?」
「空耳じゃないすか?それかお嬢様が進化し過ぎてボケはじめたとか。」
「あら、しっかりと↑九行に書いてあるわよ。」
「そんなメタな方法で証明しないでください。」
「まあいいわ。その予言書の脇にあったこのペンを使えば良いのよね。」
そういってメアリはペンで紙に書き始めた。
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