第3話お嬢様は黒龍を飼いたいようです

~中央ダンジョンにて~




「お嬢様、入り口付近は大変混みますので迷子にならないようにしてください。」




「ねえ、私高校生なのにまだ迷子になるって本気で思ってるのかしら?」




「一週間前にも迷子の子どもだと思われて監視人に叱られてましたよね。」




「あの人なら私が富豪の娘だと知って顔を青くして謝っていたわよ。いい気味だったわ。」




「性格悪くて見た目詐欺なんて救いようがないな。(ほどほどにしてくださいね?)」




「執事、本音と建て前が反対になっているわよ。」




「おっと、これは失礼しました。」




「あなたも顔を青くしてお父様に謝ってみる?」




「勘弁してください。」




「おお、お前ら相変わらず愉快なコントをしてるなぁ!」




お嬢様と話していると後ろからおじさんが話しかけてきた。




「あら、これはクロ爺さん。お元気で?」




「まだ、29歳だー。ああ、元気すぎて困っているぐらいだ。それで二人は今日はどこまで潜るつもりなんだ?」




「私たちは今日五十…んん!」




メアリお嬢様が言いかけたところで執事に口を塞がれた。




「僕たちは今日5階層まで潜るつもりです。」




「え、でも今50階層って…」




「さあ!お嬢様!どんどん歩きましょう!人生と同じで立ち止まっていては時間が過ぎるのみなのですから!それではクロ爺さんもお元気で!」




二人はずがずがと奥に進んでいった。




「俺はまだお兄さんだー!」




ーーーーーーーーーーーーー




~ダンジョン50階より前の階層にて~




「お嬢様、3年間一緒にダンジョンに潜っていてずっと気になっていることがあるので聞いてもよいでしょうか?」




「あら、失礼がなく常識の範囲内で人間でも分かる言葉での質問なら許すわよ。」




「僕を猿か何かだと思ってません?…ではお嬢様、なぜダンジョンのなかをドレスで歩くのですか?明らかに周りの人より浮いているのですが…。」




「なら執事?どうしてあなたはタキシードでダンジョンを冒険しているのかしら?」




「…こっちの方がアニメ化したときに印象に残りやすいと思いまして。」




「私も同じ理由よ。」




「けどお嬢様のドレスって毎日同じものを着ていますけど、どうなってい…」




「あら執事、雑談だけでこのままだと1000文字超えてしまうわ。ここの作者は1000文字超えたら書くやる気がなくなってしまうから早く物語を進めましょう?」




「話の変え方メタすぎません?」




ーーーーーーーーーーーーー




~50階層~




「まじで50階層まで話が飛ぶんすね…」




「ほら、メタな話は終わりよ。切り替えましょう。」




「それじゃあ、当初の目的通り黒龍をペットにしようと思ったんすけど…どうやら先客がいるみたいっすね。」




「先客?」




二人の視線の先には黒龍と一人で対峙している【剣舞】リリアの姿があった。




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