第2話お嬢様は高校生になるそうです。
俺の名前は…まあ俺の名前なんてほとんど出てこないから言わなくていいか。
十六歳にして世界五大富豪の娘メアリお嬢様の専属執事になった天才と覚えてくれればいい。
「いい、執事?今日から高校生なんだから高校では私のことはメアリと呼ぶのよ?」
「了解しました、メアリお嬢様。…ただでさえお嬢様の寝坊でぎりぎりなので早く行きましょう。」
そういって二人は歩き出した。
「お嬢様、今日のスケジュールは…」
「そんなのはどうでもいいから放課後はダンジョンに行きましょう?」
「え、いや…そんなことしたら僕が怒られますよね?もう給料、減給されすぎて本当に高校生のアルバイトぐらいしか時給が出ていないんですよ。」
「ほら、学校についたわよ。
しっかり私のボディーガードをするのよ。」
「へいへい。」
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~教室にて~
「ねえ、執事。あなたって制服着ていても不良みたいね。」
「お嬢様は制服着たらコスプレ幼女みたいっすね。」
「…温情をあげるわ。打ち首と切腹どちらがいい?」
「それ結果は変わらないですよ?」
「でも死んでも私の前に現れてくれるのでしょう?」
「ええ、もちろん化けて出ますよ。」
ざわざわざわ
ふむ、どうやら少し教室がざわついているようだ。
「ねえ、執事教室がうるさいわ。何があったの?」
「あー、どうやら【剣舞】の二つ名を持つリリアという冒険者が同じクラスにいるようですね。」
「【剣舞】?」
「高校1年生にして【限界突破】49%を叩き出した現存する最強の冒険者みたいっす。」
「4、49%って…私の何倍かしら?」
「お嬢様は【限界突破】が出来ないのでまず同じ土俵にすら上がれないですね。」
そう、0に何を掛けても0なのだ。
「ちなみに執事なら【剣舞】に勝てるのかしら?」
「ははは、僕の【限界突破】はまだ10%ですよ?」
「まあいいわ、また放課後にダンジョンに行きましょう?」
そういってメアリはどっか行ってしまった。
「あ、今日のスケジュール…」
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「お嬢様、今日はどこのダンジョンに行く予定なんですか?」
この世界には【東の春ダンジョン】【西の秋ダンジョン】【北の冬ダンジョン】【南の夏ダンジョン】【中央ダンジョン】の五つがある。
「今日は中央ダンジョンに行くわ。五十階の黒龍が今日は欲しいわ。」
黒龍は中央ダンジョンのボスでとても凶暴な性格で同じ魔物も襲う。
「なるほど、断固拒否ですね。」
「…執事ってポエムを書いているよね?柄にも合わず可愛いから高校のみんなに教えたいのだけれど。」
「お、お嬢様!?どうしてそのことを!?」
誰にも言っていないし書いたら隠してるのに…
「私ー、黒龍がー欲しいなー?」
「…はあぁ、善処しますよ。」
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