世界最強の執事は世界最強にポンコツのお嬢様とダンジョンに潜る

@kamiikkei0114

第1話 お嬢様は(踏み)抜く素質があるそうです。

地球ではダンジョンに潜るものを冒険者と呼ぶようになった。




2XXX年、突如地球にはダンジョンが出来た。




それと同時に世界中の人々には【素質】と【限界】が追加された。




【素質】とはいわゆる特殊能力のことだ。




魔法使いのように炎を生み出したり、物を創造することも出来る。




【限界】とは人々が使える【素質】の限界を上げることが出来る。




【限界】は%で表される。




「お嬢様ァ、いやーほんっと抜くの上手っすねー。」




「あらぁ、そんなまっすぐ褒められると照れてしまいますわ。」




目つきの悪い高校生ぐらいの男がお姫様抱っこしている背の低い女性に話しかけていた。




「あははははー、褒めてないっすよ?…どうして、毎度毎度モンスタートラップを踏み抜いてくれるんすかね?」




「執事だって笑っているのだからいいでしょ?」




「引き笑いっすよ。お嬢様、ここって人類未到達階層ってこと知ってますよね?」




人類が行った過去最高到達階層は49層だ。




ちなみに今二人がいる階層は65階層だ。




「けど、私はもっとここにいる犬を見たかったんだもん。」




「犬って…ケルベルスですよ?追いつかれたら僕たちが食べられますよ。」




「もー、それをどうにかするのが執事の仕事でしょ?」




「お嬢様が揺れると怒るからスピードを緩めてるんですよ。ほんとよく命かかってる状態で文句言えますよね。」




「しょうがない執事ね。私が逃げるのを手伝ってあげるわ。」




そういって少女は、手から液体を出した。




「待ってくださいお嬢様?お嬢様の【素質】は使わないで欲しいんですけど…。」




「任せなさい。【テカテカローション】!」




少女は手からローションを出して前に放った。




「お嬢様!?前にローションがあったら僕も転ぶぅ!?」




ドテーン




転んだ執事の上に少女が乗った。




「…はあ、お嬢様ちょっと失礼します。」




そう言いながら執事は自分の上に乗った少女をどかして執事は立った。




「…【限界突破20%…憤怒パンチ】!」




ドゴーンっ




執事は両手を合わせて出来た拳を相手に向かって放って出来た衝撃波によりケルベルスは全滅した。




「お嬢様、僕ずっと【素質】を使わないで欲しいって言ってますよね?」




「まーた、小言を言いだして…。ほら、早く帰りましょう?」




「へーい。」




ーーーーーーーーーーーーー




「主人様、ただいま帰りましたー。」




「おお!我が愛しの娘メアリよ!今日も無事に帰ってきてくれて嬉しいぞぉ。」




「お父様、私も十六歳なので抱きつかないでください?」




「ああ!ごめんなぁー。…そこの執事くんに変なことはされてないか?」




「ええ、今日はお姫様抱っこだけでしたよ。」




「お姫様抱っこ!?…執事くん、後で僕の事務室に来なさい。」




「…はい。」




これは最強の執事とポンコツなお嬢様の周りを巻き込む愉快な物語である。




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