第2話:とりあえずアパートに連れて帰る。

興味本位で覗いたマッチングサイトで知り合った女子高生と、今レストランで

飯を食ってるわけで・・・。

日もどんどん暮れて行くし暗くなって女子高生なんか連れてうろうろしてたらマズいよな。

早めに切り上げてアパートへ連れて帰ろう。


僕の誘い乗ってきたってことは、アパートに行こうって言ってもたぶん嫌だって

断ったりしないだろう。


「ね、これから時間も遅くなるから、とりあえず俺のアパートに来てみる?」


「はい、私はどこでも・・・」


「どこでもって・・・いいの?俺のアパートだけど・・・僕とふたりっきりで

過ごすんだよ・・・」


「私そのつもりで来てますから」


「あっそ、そのつもり・・・覚悟できてるんだ・・・じゃ〜行こうアパート」


彼女の目的は、そう言うことなのか?まあ、そうだよな・・・マッチング

なんかにアカウント持ってるくらいだから・・・。

可愛い顔して誰でもいいから男とエッチいことができたらいいのか?


で、僕は彼女を連れてコンビニに入ってクリスマスケーキを一個買った。


「僕のアパート、そんなに遠くないから歩いてくけど・・・いい?」


「いいですよ・・・ついていきます」


今夜は特に雪が深々と降っていた。


「う〜さぶ・・・だいぶ、冷えてきたね」


僕は着ていたハーフコートを脱いで彼女に羽織ってやった。


「あ、ごめんなさい・・・優しいんですね」


「可愛い子にはね・・・」


「え?」


「いいから・・・」

「でさ?、根掘り葉掘り聞くのは失礼だって思うんだけど、こうして知り合った

んだから君のこと教えてよ。


「少しくらいなら・・・」


「あのさ、なんでマッチングサイトなんかにいたの?」


「私の面倒を見てくれそうな素敵な男性を探すのに手取り早いかなって思って」


「面倒?・・・面倒って?・・・援交?」


「私、この世界、右も左も分からなくて、誰かにいてもらわないと何にも分からないし、何もできないんです」


「なに言ってるの?・・・なに?この世界って?」

「何も分からないって、君、どこか他の国にでも暮らしてたみたいな言い方

するんだね・・え〜とライラちゃん?」


「きっと本当のこと言っても信じてもらえないと思います」


「そんなこと・・・信じる信じないは話してみないと、はじまんないじゃん」


「私の話聞いたら絶対変な顔して「そんなことあるわけない信じられるかよ!!

って言うに決まってます」


「だからって、話してくれないと分かんないし、らちがあかないだろ?」


なことを話してるうちに、俺とライラちゃんは俺のアパートの前まで来ていた。


「続きは部屋に入ってからね・・・いい?」


「はい・・・絶対信じないと思いますけど・・・」


「まだ言ってる・・・」


だけど来羅の話は普通に現実の中で生きてる人間には理解しがたくまじで信じられ

ないような話だった。


つづく。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る