第6話 魔法の特訓開始!

「9998!9999!10000!!」

エルフの村で日課のトレーニングをしていると

「朝から精が出ますな〜」

そう話かけてくるのはこの村の村長でありエレナのお父さんであるアルバンであった。

「ツトム様の強さの秘訣はこの鍛錬によるものだったのですな」

「いやいや、俺なんてそんな.....」

「そうご謙遜せずツトム様の強さはこの村の者全員が認めております!」

「お、おお//」

そんなに褒められると思っていなかったのでとても照れくさく思いつつ続けて

「でも、俺の努力だけじゃここまでステータスを上げることは出来なかったと思う」

「と、言いますと?」

「俺にはちょっと特殊なスキルがあるんだ」

俺はアルバンに自分のスキルについて説明した。流れでスキルを会得した経緯や魔力のステータスがレベルアップ以外で上がらない事、俺が異世界から来た勇者の内の1人である事全てを話した。アルバンはそれだけ信用出来ると思ったからだ。

説明を聞いてアルバンはしばらくの沈黙の後

「なるほど......ツトム様は今より更に強くなりたいと......では今度は魔力を鍛えて魔法を習得してはどうですか?幸い、私達エルフ族は他の種族より魔法に長けているのでツトム様の鍛錬の手助けになれるかもしれません」

「ほ、本当に!?めちゃ助かる!」

「では、早速ツトム様のステータスを確認してもいいですか?」

「はい!ステータス!」

目の前に俺のステータスが表示される。

「これが俺のステータスだ!」

自信満々に見せるもアルバンはキョトンとした顔をして

「何も見えませんが?」

ここで初めて気づいた。ステータスは自分以外には見えないのだと。

「ごめん...ステータスは自分以外には見えないみたい....」

アルバンにそう説明すると

「では、口頭で教えてください」

「えーーっと、体力が7000で....」

「ちょ、ちょっと待ってください!今なんとおっしゃいました?」

「え?だから...体力が7000で...」

「なんですか!?7000って!そんな数値いくらツトム様でも信じられません!水晶でステータスを測りましょう!」

アルバンは村の中にある祠の様な場所に俺を案内した。

「では、ここに手をかざしてください」

「はい.....」

不安がりつつそっと自分の右手の掌を水晶にかざす。すると、水晶の上に俺のステータスが表示された。

しかし、そこには

体力:000

パワー:000

スピード:000

防御:000

魔力:000

幸運:100


俺のステータスを見てアルバンは驚いた。

「こんな数値有り得ません!」

俺も幸運以外0は流石に何かの冗談だろ?とも思ったが

「ツトム様のステータスの表示のされ方がおかしいんですよ。通常ステータスは滅多に無いですが0の場合があります。例えば産まれたばかりの赤子とかだと。その場合ステータスは0と表示されます。しかしツトム様の場合、000と表示されていました。つまり!この水晶では測り知れない程のステータスだと言う事です!」

アルバンは息を切らしながらそう強く熱弁した。

「水晶では測れなかったのでもう一度ツトム様のステータスを教えてください」

「えーと、体力7000、パワー7000、スピード7000防御7000、魔力1000、幸運100です」

「全ステータスが有り得ないぐらい強いですが、魔力1000!これだけの魔力がありながら魔法が使えないという方が不思議な話ですよ!」

「だったら.....」

「はい!特訓すれば大魔導師...いや世界最強の賢者だって目指せますよ!」

「ちなみにアルバンの魔力はどのくらいなんだ?」

「私は大体300くらいですね。これでも平均を遥かに超えてて自分で言うのもなんですが、賢者くらいなら普通になれるレベルです」

世界最強の賢者?300で平均より遥かに上?

色んな事で頭がいっぱいになってる俺をみてアルバンは

「まぁ、難しく考えず先ずは初級魔法から習得していきましょう」

「おう!」

そう勢い良く返事をし、俺の魔法修行が始まった。



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