7 うんこ洗い姫爆誕
私はこの如雨露を試しにトイレで水を入れて傾けてみることにした。
傾けた如雨露の先からは水が放物線上に噴き出す。まあ、大体予想通りではあるが、水圧足りる? T●T●に勝てんのか、お前!
すぐに勝つ必要は無いと気が付いたし、勝てるわけがなかった。
当時のT●T●社員はどんな気持ちで肛門位置のアンケートに答えたのだろうか。
それをこれから私は知るのだ。(違います)
私は改造如雨露を胸に抱え、部屋に戻った。
さあ、来いよ、便意。
今ならお前なんて怖くないぞ。
ノーラたちに見られずに、というわけには行かないだろうけれど、少なくとも手を煩わせなくて良くなるはずだ。
だけどそんな風にいざ待ち構えると意外と便意というのは来ないものだ。
うんこがやってくるのをずっと待ち続けるなんて建設的じゃないので、私はお勉強をして時間を潰すことにした。
この世界についてもっと学ばなければならない。
この世界の問題点はトイレだけじゃない。
パンツが無いこともどうにかしたいしな!
ちなみにスカートの下に何かを履く習慣は無いのかと聞いたところ、すぐに排泄できないじゃないですか、と返事が返ってきた。
どんだけものぐさなんだよ!
せめて履くか履かないかの選択肢をくれ!
私は断然履きたい派だ。
そうやってお勉強をして、遊んで、食事して、また遊んで、お勉強をしているうちに、ついに来るべきものが来た。
具体的に言うと、うんこがしたくなった。
「おトイレに行くわ」
私は高らかに宣言する。
羞恥心はどこへ行った。土の下で冷たく硬くなっていた。
ノーラたちももう慣れたもので、レオニーとナワールがおまるを抱えた。
私たちはトイレに移動する。
トイレの中におまるを設置してもらって、いざ排便!
今回も健康的なうんこが出て満足だ。
そしてついに改造如雨露の出番がやってきた。
水を入れた如雨露を股の間に差し込んで、いや、もう水出てきとるやんけ。
腹の辺りから濡れてしまったが、本題はそこではない。
肛門の辺りに水が当たるように動かして、一通り洗浄してみる。
水圧は物足りないけど、洗った感はある。水圧は物足りないけど。
「できたわ!」
「確認をさせていただきます」
ノーラはそう言って、有無を言わさず私のお尻の下に手を差し入れる。
私がふぎゃあと悲鳴を上げるのも構わず、お尻をぐりぐりと弄って、その手を確認する。
「確かに洗えているようですね」
そう言って手桶の水を使ってその手を洗うと、ハンカチで拭いた。
「どうよ!」
「確かに便利な道具のようです。私の役割がひとつ減って寂しい感じもしますが、使ってみたくもありますね」
「改良ができたらこの試作1号はノーラにあげるわ! あ、使ったら意見も教えてね!」
「ありがたく」
ノーラは恭しく頭を下げる。
この後、改良された手持ち式お尻洗浄器は、製作が簡単であることもあって貴族だけではなく庶民にまで普及した。
手持ち式お尻洗浄器はフランソワーズの名で親しまれ、私がうんこ洗い姫と呼ばれるようになったことだけは納得がいかない。
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カクヨムでは初のギャグテイストでしたが如何でしたでしょうか?
よろしければ☆☆☆で評価いただけると幸いです。
短編はこちらにまとめる予定です。
https://kakuyomu.jp/my/collections/16818093090029347558
また下記作品を更新中です。
「異世界現代あっちこっち」
https://kakuyomu.jp/works/16816700426605933105
6章が大詰めまで来ています。
「魔法チートをもらって転生したけど、異世界には魔法がありませんでした」
https://kakuyomu.jp/works/16818093076241201686
異世界現代あっちこっちの6章が終わったらこちらも更新を再開します。
どの作品もよろしくお願いします。
トイレ転生 ~うんこ姫は洗いたい(水圧強めで)~ 二上たいら @kelpie
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