第4章:錬金術師としての日常
メープルウッド村での生活も、早半年が過ぎようとしていた。
朝日が部屋に差し込み、だみんちゃんはゆっくりと目を覚ます。
「んー...今日も良い天気」
時刻は既に9時を回っている。
現代での慌ただしい生活と違い、ここでは自分のペースで一日を始められる。
「今日も薬草採取、ほどほどにがんばりましょ」
籐のかごを手に、だみんちゃんは森へと向かう。
季節の変わり目で、新しい薬草が芽を出し始めている。
「あ、これは血止め草...そしてこっちは解熱効果のある月光花...」
薬草の採取をしながら、だみんちゃんは現代の薬学知識と照らし合わせて記録をつける。
時には村の子供たちが好奇心いっぱいの目で付いてくることもある。
「だみんちゃんお姉ちゃん!この花は何の薬になるの?」
「これはねぇ...」
子供たちに薬草の知識を教えながら、時には現代の話もする。
スマートフォンや電車、Twitter(旧X)の話に、子供たちは目を輝かせて聞き入る。
午後からは錬金術の研究室で実験。
現代科学の知識を活かした新しい製法で、より効果的な薬を作り出していく。
「この配合なら...よし、うまくいった!」
夕方には村人たちが薬の相談に訪れる。
「だみんちゃんさん、この間の咳止め薬、本当に効きが良くてね」
「おかげで熱も下がって、今日から仕事に戻れるよ」
評判は村を超えて、近隣の集落からも人が訪れるようになっていた。
「錬金術師様、うちの村まで来ていただけないでしょうか」
そんな依頼も増えてきたが、だみんちゃんは基本的に断っている。
「ごめんなさい。私、出歩くのは面倒くさいので...」
それでも、深刻な病人の話を聞けば、特別に出向くこともある。
そんな優しさも、村人たちに愛される理由の一つだった。
夜は新しい錬金術の研究ノートをまとめながら、たまに現代の生活を思い出す。
派手さはないものの、この生活の方が自分に合っているとだみんちゃんは感じていた。
「魔法は使えないって言ったけど...まぁ、これはこれで楽しいかな」
窓の外では満月が輝き、虫の音が心地よく響く。
だみんちゃんは満足げに微笑んだ。
これは、最強魔術師の隠居生活の物語。
いや、もしかしたら、これは新たな冒険の始まりなのかもしれない。
「さてと、明日も適度に頑張りますか」
だみんちゃんの新しい人生は、まだ始まったばかり。
のんびりとした日々の中で、彼女の物語は静かに、しかし確実に紡がれていくのだった。
~1stシーズンの終わり~
【ふてほど!】現代最強魔術師が異世界の田舎で錬金術師スローライフ!~だみんちゃんさん!二度寝もふて寝もほどほどにね!!~ だみんちゃん @daminchan
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