第1章:現代世界での最後の一日

豪邸の広々としたリビングで、だみんちゃんは優雅にソファに寝そべっていた。


50インチの大型テレビからは、昨日の事件についてのニュースが流れている。

「市街地での魔法使用禁止区域において、現代最強の魔術師の一人として知られるだみんちゃん氏が、スーパーマーケットに侵入した魔物を魔法で捕獲。この行為に対し、魔法公安委員会は厳重な処分を検討中と発表しました」


「はぁ...もう全部めんどくさい」


振り返れば、この事件は50日前から始まっていた。

都内の大型スーパーマーケットに、SSランクの魔物が潜伏。

一般の魔術師たちが対応を試みるも、かえって被害を拡大させる結果となっていた。


「一般の魔術師では対応できない大型魔物。建物内に潜伏し、これまでに3名の従業員が軽傷を負う事態に発展。当局は対応に苦慮しています」


そんな中、魔術師協会から一本の電話が入る。

「だみんちゃんさん、申し訳ありませんが、あなたの力が必要です。このままでは民間人の被害が拡大する恐れがあります」


「ちゃんやぞ。はぁ...面倒だけど、行くしかないですよね」


現場に到着しただみんちゃんを、既に大勢の報道陣が取り囲んでいた。

建物の周りには強力な結界が張られ、野次馬も集まっている。


だみんちゃんは状況を素早く把握すると、瞬時に詠唱を開始。複雑な魔法陣が空中に展開される。

魔物の気配を感知し、無害化魔法を発動。

見事に魔物を捕獲し、魔術師協会に引き渡した。


しかし、その3日後。予期せぬ事態が起こる。

「だみんちゃんさん、あなたは市街地の建物に向けて危険な魔法を発動した。これは重大な違反行為です」


魔法公安委員会の緊急会議で、だみんちゃんは突如として魔法使用許可の取り消しを言い渡された。


「でも、それは...」


弁明の機会も与えられず、だみんちゃんの魔法使用許可は剥奪された。

後に判明することだが、この一件には某大手魔術企業の陰謀が絡んでいたという。


「まぁ...もういいや。お昼寝でもしよっと」


だみんちゃんは豪邸のソファで、いつものようにふて寝を決め込んだ。

そんな彼女の周りに、突如として眩い光が満ちていく。それは、異世界からの召喚魔法陣だった...。


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