第2話 パーティーメンバー②

私が席に着いたのを確認すると、ウィローラがさっそく話し始めた。こういう場で社交性の高い人がいてくれると、本当に助かる。

「じゃあ、まずは自己紹介から始めますか!」

彼女の提案に全員が頷く。ウィローラはそれを確認すると、勢いよく立ち上がった。


「では、私から!ウィローラ・アラストゥルと言います!ファーストネームで気軽に呼んでください。種族は半天使で、今使える固有魔法は全身発光と浄化魔法、それとこの翼で低空飛行ができます!」


ウィローラは背中を向け、小さな白い翼を羽ばたかせてみせた。手のひら二つ分ほどの純白の翼が動くたびに、後ろ髪をまとめた薄桃色のポニーテールやフリルたっぷりのミニスカートが揺れる。

その様子を、隣の女性が慈愛に満ちた表情で見守っていた。その気持ちはよくわかる。ウィローラは小柄で細身、表情も豊かで、まるでうさぎのような愛らしさがある。


「私もメーケもこの街は長いので、案内なら任せてください!服とアクセサリーのお店なら、いっぱい知ってますよ!」

そう言って胸を張り、自分の平らな胸を軽く拳で叩く。そして座りながら、じっとこちらを見つめてくる。

次やれってことか......へいへい、やりますよ。


「じゃあ、次は私」

片手を軽く上げながら、気乗りしない様子で立ち上がる。

「メーケシャ・ラムバーラです。私もファーストネームで呼んでください。種族は羊の半獣人で、固有魔法は雷魔法と、この羊毛を増やせることです」

そう言いながら、クセだらけの髪を少し持ち上げてみせる。視線を集めるのが恥ずかしくて、そそくさと「よろしくお願いします」と締めくくり、すぐに座る。


ウィローラが「え~それだけ?」と言いたげな視線を送ってくるのがわかる。

悪かったな!気の利いたセリフなんて思いつかないんだよ!


「次、やります」

隣で声がして、ウィローラの視線から逃げるようにそちらに目を向ける。


「名前はケレアニール・ニツァショテです。私もケレアニールと呼んでもらえたら嬉しいです。種族は氷の半竜人で、固有魔法は氷魔法全般。基本的に何でも作れます」

彼女はそう言って、両手の上に氷でできた花を形成する。その釘付けになるような美しさはよく知っている。


彼女と私は同じ教会で育った。独り立ちの年齢になってからは別々の道を選んだため、もう会うことはないだろうと思っていた。

絹のようにサラサラとした濃い青髪は、肩にかからない程度に切り揃えられている。ウィローラと同程度の低身長に、落ち着いた白基調の服と膝丈のスカートが控えめでおとなしい印象を与える。しかし、頭に生えている角からは芯の強さのようなものを感じさせる。まさに彼女の性格そのものを象徴しているようだ。


「服もアクセサリーも好きなので、案内を楽しみにしていますね。」

彼女が笑顔をウィローラに向けると、ウィローラも親指を立てて「任せて!」と応じる。


「最後は私ね」

ケレアニールが座るのと同時に、最後の一人が立ち上がった。

「ヴィロミア・ニャンティと言います。私もファーストネームで呼んでほしいわ。むしろそうしてちょうだい。ファミリーネームは私には可愛すぎるから」

苦笑いを浮かべながら話す彼女は、私と同じくらいの長身だ。


「種族は精霊で、固有魔法は魔法の影響範囲の拡大です」

そう言いながら、彼女の背後から半透明の羽が4枚広がる。それは光を乱反射させながら、虹色に輝いている。同時に、腰ほどの長さの髪がふわりと広がり、宙を漂う。その髪は、頭頂部の薄い青から毛先の薄い桃色へと自然に色が変化しており、神秘的な印象を与える。私ほどのクセ毛ではないが、多少毛先は丸まっていた。


羽が透明になり、完全に消えた後、彼女はさらに続けた。

「今は旅をしています。以前は学者や研究者、あと僧侶もやっていました」

その言葉に、彼女の落ち着いた服装が妙にしっくりきた。飾り気はないが高級感のある素材と細やかな刺繍、大きな魔石のイヤリングが、彼女の知識と経験を象徴しているようだ。私とはまるで対照的な感じがした。


それにしても、みんな恵まれた種族だな......私だけ羊なんて、なんだか申し訳ない気分になる......

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