第8話

「アイツも風紀のメンバーなんだ」


へー、そうなんだ……。

でも、あの人が風紀委員で大丈夫なのかな。



「あとは海斗か。とりあえず、戻ってみるか」


「お。トラえもんじゃん」


後ろから、トラえもんを呼ぶ声が聞こえた。



この声、聞いたことがある……。



「お、海斗か。いいトコに来たな。今から、新人の紹介したいから、相談室に集まってくれ」


「へーい。……ん? お前、今朝の……」


「は、はい! 水澤彩加です」


私はあわてて頭を下げた。



「何だ。お前ら、顔見知りか?」


トラえもんが驚いた声を上げる。


そーいえば、トラえもんに話してなかったな。



「はい。今朝、迷ってたら、案内してくれたんです」


「へー?」


トラえもんは意外そうな顔をしてから、海斗先輩をチラッと見る。


その顔は笑っている気がした。

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