第6話

× × ×



放課後になって、実沙に案内してもらった相談室に入る。


中には、男子生徒が3人いた。


この人たちも風紀委員なんだ……。



「お、来たな」


後ろからトラえもんが声をかけてきた。



そして、トラえもんは私の背後から相談室を見回して、何か異変を感じたみたいだ。



「海斗と直樹はどーした?」


「海斗君は職員室に呼び出されてます。直樹君は見てません」


「ったく……。そーいや、校内案内してなかったな?」


「え? あ、はい」


トラえもんは呆れた顔を見せながら、訊いてきた。



「じゃあ、直樹を探しながら、案内してやるから。留守番、よろしく!」


「判りました」


そういうことで私たちは相談室を後にし、直樹さんという人を捜しがてらに、トラえもんに校内の案内をしてもらうことにした。



「この水原高校って、広いですよね」


「ああ。俺も新任の時はよく迷ったよ。ここには3つの校舎があって、Aはクラス教室と職員室、Bが特別教室、Cはほとんど使われてない教室ばっかりなんだ」


「そうなんですか」


「そーいや、うちは理事長が校長もやっててな。その理事長は桜が好きで、敷地内に桜並木の道を作ったんだ。こうして話してると、ホント、学校っぽくないよな」


確かに……。

ホント、ここまで来るのに、大変な道のりだったなぁ。

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