最終話:私のダーリンは魔法使い。
ライトと私は素敵なチャペルで結婚式を挙げた。
伊奈ちゃんや会社の部署の人たち、先輩の「
あと親戚の人たち、みんなお祝いに駆けつけてくれた。
そしてダーリンのご両親も遠い月からかけつけてくれた。
「柑菜、綺麗だよ」
伊奈ちゃんがそんなお世辞を言って私を喜ばせた。
「結局、あんたたちこういうことになっちゃったんだ・・・」
「どうなったのかなって思ってたんだけど、柑菜からライトさんと結婚するって
聞いた時、驚いたわ 」
「うん・・・なるようになっちゃったね」
「でもよかったじゃん、旦那様が魔法使いなんてどこ探してもいないわよ 」
「そうだね、魔法使いなんだ・・・ダーリン」
「何、今更しみじみ言ってるのよ、しかももうしっかりダーリンって言ってるし」
「しっかりしなさいよ・・・とにかくおめでとうね、柑菜」
「私も早く私のダーリン探そう・・・」
で、私たちのウエディングはとっても楽しくて素敵な式と披露宴になった。
ダーリンはどこまでも優しく私をエスコートしてくれて、こんなに思いやりが
あって素敵なダーリンは他にいないよね。
私にはもったいないかも。
そして披露宴が終わって、みんなと一緒に会場から外に出たら花火がいきなり
上がったの・・・何発もの打ち上げ花火・・・。
夕方の花火だけど、暗くなって上がった花火じゃなかったけど、それでも素敵な
演出だった。
「式場の方のご配慮かな?」
「い〜え、この花火は私が打ち上げたんですよ、柑菜さん」
「え?そうなの、ダーリン?・・・魔法使った?」
「このくらい使っても誰にもバレないでしょ?」
「そうだね、とっても素敵だったよ」
「お気にめしましたか?柑菜さん」
私は光人の腕にすがって、私のダーリンの顔を見て笑った。
披露宴が終わったら、そこから新婚旅行に旅立つんだけど、私たちは普通の
新婚旅行には行かなかった。
そのかわりダーリンが私を宇宙まで連れて行ってくれた。
宇宙服なんかいらないよう・・・ダーリンは魔法でシャボン玉みたいな丸い玉を
出して、自分と私を酸素の幕に包んでくれた。
そして宇宙を瞬間移動して回った。
まずはイータカリーナ星雲(NGC 3372)の「ミスティック・マウンテン」を見て
わし星雲(M16、NGC6611)の「創造の柱」とバブル星雲(NGC 7635)を見て
タランチュラ星雲(カジキ座30)にバタフライ星雲(NGC 6302に
一角獣座の特異変光星V838を見て触角銀河(NGC 4038 NGC 4039)見てから
一生を終えた星が大爆発して輝く超新星の残骸、かに星雲(M1)を見た。
あと惑星状星雲NGC 5189と次々に見せてくれて、
私は、どれがなにか分からなかったけど、その都度ダーリンが説明してくれた。
そんなこと誰にもできない・・・誰も見ることのできない夢みたいな素敵な
旅行宇宙の大スペクタルだったの。
「あななたち、もう独り立ちするんだからマンションでも借りたらどうなの? 」
「そのほうはなにかと遠慮なくできるでしょ」
って私のお母さんが・・・。
「なにを遠慮なくよ・・・なんか、すっごく意味深」
「夫婦のコミュニケーション、それは一番大切なことでしょ・・・」
そうお母さんが言うから、私とダーリンは実家をでた。
これから私とダーリンの新しい生活が始まるのね。
私は、いつものようにいつもの会社へ・・・そして光ダーリンは?・・・
主夫?になるのかな・・・働いてないからね。
でも料理、洗濯、掃除ぜんぶダーリンがやってくれるので私は楽。
でも、たぶんだけど、ぜんぶ魔法で片付けてしまってるんだと思うけど・・・。
さてさて、カフェでナンパされた柑菜さんは予期せぬことから魔法使いに
愛されて、愛して、結婚してしまったんですけど・・・。
これまでは、ほんの序章、ふたりの新しい人生は、今はじまったばかりなのです。
きっと柑菜さんは、ライトの余計な魔法のせいで、これからも悩まされることに
なるんでしょうね。
でも、きっと言うんです、愛してるよダーリンって。♡
奥様は魔法が使えないほうがいい、ライトは柑菜さんの尻に敷かれた上に
魔法なんか使えたら・・・想像しただけで恐ろしいのです。
おっしまい。
☆ダーリンは魔法使い☆ 猫野 尻尾 @amanotenshi
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