第21話:ダーリンのご両親。

ダーリンが魔法で作った神秘の世界・・・森の中のコテージに湖に浮かぶ小舟。

しかも銀色の三日月が湖に映って、とても綺麗。


「さ、柑菜さん舟に乗りますよ」


「あ、うん?・・・え?・・・ダーリン・・・」

「あの・・・舟の中で?・・・もしかして舟の中でするの?」


「ベッドの上よりロマンチックじゃありません?」


私とダーリンは小舟に乗って、これから初めて素敵な愛のページをめくるの。


ダーリンのキスは特別・・・まるで宇宙空間に浮かんでる気分。

体の力がフッと抜けて、なんの抵抗もない・・・そしてなにも聞こえない・・・

聞こえるのはダーリンの甘い言葉だけ。


私はただダーリンに体を委ねるだけ・・・。

ダーリンに触れる私の指が震えてる。


大好きだよダーリン・・・。

愛してます、柑菜さん・・・。


もう迷わない・・・迷うことはない・・。

ねえ優しく抱いて・・・そして強く抱いて。

このまま夜と愛のじじまの中に私を連れ去って・・・。


そして私とダーリンはその夜、揺れる小舟の中で幸せの中で結ばれた・・・。


私の部屋が、私とダーリンとの愛の舞台になるなんて、こんなロマンチックな

こと私だけだよね・・・他の誰にも叶えられない。


その夜は私が生まれて始めて経験した素敵な夜だった。

そしてダーリンから私に両親にあってほしいって言われた。


「えっ・・・ご両親?」


「ってことは?、私は月へ行くの?」


「そうですよ柑菜さん」


そうと決まればことは早い。


私はダーリンのご両親にご挨拶に行くことになった。

ってことでダーリンの例の飛ぶよって魔法で一気に月へ。


ダーリンが連れて行ってくれた彼のおうちはとっても素敵なおうちだった。

洋風でオシャレ・・・部屋の中は、さぞかしお高いんだろうなって思っちゃう

センスのいい家具。


ダーリンは前もって私を連れて帰るってご両親に連絡してくれてたみたい。


「はじめまして、是和伊 柑菜です」


「いらっしゃい・・・ライトの父親、ランプです」


「よくいらしてくださったわね・・・ライトの母のアカリです 」


「あの、これよかったら食べてください美味しいですから」


私は有名どころのお菓子屋さんのスイーツをご両親にプレゼントした。


「それはまあ、ご丁寧に・・・」


そう言ったのはダーリンのお母様。


ご両親はとっても豪勢なお料理で私をもてなしてくださった。

なんとダーリンのおかさんも魔女じゃなく人間の女性なんだって。

ダーリンは子供の頃からお母様を理想に見てきたんだ・・・私はそう思った。

だから私を選んだのね。


盛大なおもてなしを受けてダーリンのご両親にも認めてもらえた。


あと、残るはなに?・・・それは私たちの結婚式?

結婚って、まだ早い気もするけど・・・。


ダーリンはそのつもりでいるみたいだけどね。

私はイヤって言ってる訳じゃなくて、ほんのちょっぴりマリッジブリー?

なんとなくこの幸せがいつか壊れるんじゃないかって不安。


カフェでナンパされて、まさかこんなことになってるなんて、その時から考えて

今はとっても不思議。


でもナーバスになってる場合じゃないわ・・・これからだっていろんな障害を

乗り越えていかんきゃいけないかもでしょ。

だから、がんばらなくちゃね。


ダーリンはわたしの家を式場に変えて式が終わったら披露宴会場に変えようと

いった。

そしたら式場や披露宴会場に使う費用を節約できるって思ったみたい。

節約家でもあるんだね、ダーリンは・・・。

って言うか合理主義者なんだ。


「待って待って、それは嬉しいけど、そんなおおぴらに魔法使ったら、みんなに

ダーリンが魔法使いだってバレちゃうよ」


「私たちの結婚式に、たくさんの人がお祝いにかけつけてくれるんだよ」

「まずいでしょ」


「そうですね・・・じゃ〜しかたありませんね普通に式場借りて挙げますか

結婚式?


つづく。

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