第19話:誰がクソ猫だって?。
で、私んちに侵入した泥棒ふたり組。
怪しい2人組が侵入してきたので、すぐにその気配に気がついたエリザベス。
そう家の中にはエリザベスだけがいた。
私が買ってあげたベッドで寝ていたベス、勘が鋭い彼女は、そいつらが悪い人たち
だってすぐに見抜いた。
睡眠を邪魔されたベスはそいつらに向かって一声鳴いた。
「ガオ〜」ってライオンみたいに・・・。
「な、なんだ猫じゃねえか・・・脅かしやがって」
ベスはお気に入りのベッドから背伸びして大アクビをするとおもむろに下に
降りてきた。
そしてふたり組の一人の足元まで行くと、そいつを睨みつけた。
「シッ、シッ、あっち行け・・・クソ猫・・・」
(クソ猫だって?・・・しかも猫と一緒にしやがって・・・)
クソ猫って言われてベスはカチンときた。
するといきなりベスが泥棒二人組が見てる前で、みるみる大きくなっていった。
「わあ、なんだなんだ・・・この猫デカくなってるぞ」
「猫じゃないんじゃないか?・・・こいつ」
ベスは天井をつきやぶるかと思うくらい大きくなって吠えた。
私んちの家が揺れるくらいの咆哮をあげられて泥棒ふたり組はビビって
腰を抜かした。
「バ、バケモン・・・」
泥棒の上から覗いたベスの形相は猫の顔じゃなかった。
目は爛々と光って口が耳まで避けて鋭く尖ったギザギザの歯に先っぽが
長く伸びた真っ赤な舌からヨダレがしたたっていた。
およそこの世の生き物とは思えない形相をしていた。
そりゃ、そんなベスを見たら誰だっってビビるよね。
もうパニックになった泥棒ふたり組は、立って逃げることもできなくて、
這いずりながら居間から逃げて行こうとした。
「に、逃げるぞ・・・逃げないと食われるぞ・・・」
ビビりまくりの泥棒二人組。
クソ猫って言われたベスはふたりを許すわけがなかった。
って、柑菜さんとライトが留守にしてた間にこんなことがあったみたい。
「柑菜さん、なにも取られてませんか?」
私は取られてる物はないかと調べてみたけど、どうやらなにも取られてなかった
みたい。
これもベスのおかげと言えたんでしょうね。
ライトはベッドで毛づくろいしてるベスのところに行って言った。
「ベス・・・君は見てたんだよね・・・全部見せてくれる?」
そう言うとベスの瞳から光が放射されてまるでプロジェクターみたいに
部屋の壁に、さっきまでの光景が映し出された。
「ほう、やっぱり泥棒でしたね・・・」
「わお、驚いた・・・ベスってそんなこともできるんだ・・・すごい猫ちゃん」
「ベスは猫じゃありませんよ、柑菜さん」
「あ、そうだった」
「どうやら泥棒はベスがおっぱらってくれたみたいですね」
「そうみたいね・・・よかった、ベスがお留守番しててくれて」
「ありがとうね、ベス」
そう言われてベスは舌舐めずりした・・何か食べたあとみたいに・・・。
つづく。
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