第17話:認めちゃおうかな。
「あのさ、髪だけ長くはできないの?」
「そんな都合良くはいきませんよ、徳を得るにはそれなりにリスクを
背負いませんと・・・」
「ライトなんて連れてくるんじゃなかった」
「服・・・買わなくていいんですか?」
「買うけど・・・ライトはあてにならないから自分で選んで買う」
だから私はライトの意見を無視して好きな服を何着か買った。
でも、思った・・・案外、私長い髪似合ってたなって・・・。
伸ばしてみようかな・・・。
で、三人で、カフェで休憩。
「あのさ、悪いけど・・・服も買ったし私先に帰るわ」
「あんたたちが素敵な関係が続いててよかたって思うよ」
「その関係怖なさいようにね・・・じゃ〜ねバイ、おふたりさん」
そう言って伊奈ちゃんは帰って行った。
ふたりになってライトは嬉しそうだった。
「なに嬉しそうな顔してるの?」
「お邪魔虫はいなくなりましたし・・・」
「今からふたりっきりのデートですよ、柑菜さん」
「お邪魔虫はないでしょ・・・」
しょうがないので、そのままカフェで休憩。
ライトはブラックコーヒーを注文して私はジェラートを注文した。
で、フルーツサンドも注文して、ふたりで仲良く分けて食べた。
ジェラートもフルーツサンドもさっぱりした食感で比較的低カロリー。
「ねえ、ライト・・・ずっとこの地球にいるつもり?」
「もちろんですよ」
「僕にとって最高に素敵で可愛い彼女を見つけましたからね」
「最高って・・・可愛いって・・・買いかぶりだよ」
「ライト、私のこと過大評価しすぎ・・・」
「私、普通の女の子だよ・・料理だってそんなに上手じゃないし、お掃除も
得意じゃないし、お洗濯も好きじゃないし、片付けだって下手だし・・・」
「そんなことは大事じゃありませんよ・・・そんなのは学習すれば
いいんですから・・・」
「大事なのはその人の人格、性格、人柄です・・・」
「どれも一緒でしょ・・・」
「柑菜さんって、見て見ぬ振りできないタイプでしょ」
「人に頼まれたら嫌って言えない性格ですよね」
「小学生の時、ダンボールの中で泣いてるワンちゃんとかネコちゃんとか
見つけると放っておけなかったでしょ」
「それで家に連れて帰ってお母さんに叱られた・・・」
「私の子供の頃も性格もよく分かってるね、ライト」
「そう言う人に悪い人はいません・・・お人好しで損するタイプですけどね」
「でも僕にとっては、そこがマストなんです・・・可愛いんです」
「だから、もう意地はらないで私の恋人って認めた方が楽ですよ」
「そうだね・・・お付き合いするなら私の性格よ〜く知ってくれてる人の方が
いいもんね」
「どうしようかな?」
「なにを迷うことがあるんです?」
「自分の心に素直になればいいだけのことですよ、柑菜さん」
「そうだね、じゃ〜認めちゃおうかな」
「そ、それ、ほんとですか?柑菜さん・・・ま、まじで言ってます?」
「なに?急に・・・そんなに慌てなくても、私、逃げて行かないからね」
「いつも冷静なライトが、そんなに慌てて・・・可笑しい・・・」
「今のこと冗談ですなんて言ったりしないから・・・」
「いやいやいや、たった今から、これまでの状況とは変わってきますから」
「これでお互い相思相愛になったわけでしょ」
「うん、まあそうだね」
「帰りは僕が優しく柑菜さんを送って帰りますからね」
「え?また、一瞬で飛んで帰るの?」
「そりゃ、そうでしょ、僕の大切な彼女になにかあったら大変ですから」
「無傷で家に送り届けねば・・・彼氏として失格ですよ」
「無傷でって・・・宅配便じゃあるまいし・・・」
「私ってどこまで過保護なんだろ」
なんとなく、いい感じになったんじゃないかな私たち、これでいいのかも。
でもその頃、柑菜さんちでは大変なことになってたのです。
つづく。
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