第6話:ライトは私の彼氏だからね。
「柑菜はあんたみたいな詐欺まがいの人となんか彼氏だなんて認めないと
思うわよ」
「そうでしょ・・・柑菜」
「そうだけど・・・魔法使いってのは本当みたい」
「私、目の前でライト君が魔法使うところ見たし・・・」
「柑菜さん・・・やっぱり僕のことをライト君・・・って呼ぶのは他人行儀です、
ダーリンって呼べないのでしたらライトって呼び捨ててお願いします」
「私の彼女にかぎって呼び捨ておっけ〜でいいですから・・・・」
「彼女って・・・光人君でも充分親しげな呼び方だよ」
「ライトで・・・ね、柑菜さん」
「分かった・・・じゃ〜ライトで・・・」
「なに?柑菜、この人に押されてるじゃん」
「案外息合ってたりしてね・・・なんかいい感じに見えるんだけど・・・?」
「ライトならまだいいけど、彼、ダーリンって呼ばないと返事しないなんて
言うんだよ」
「いくら彼女だからって外人じゃないんだからダーリンなんて呼べないでしょ」
「今、自分で彼女って言ってんじゃん・・・それのろけ?」
「そんなんじゃないよ・・・たとえばだよ」
「たしかにダーリンってのはね・・・」
呆れるように伊奈ちゃんは言った。
「僕はいたって真面目ですよ・・・伊奈さん」
「え?なんで私の名前知ってるの?私、名前言ったっけ?・・・」
「一度も言ってないけど、私が伊奈ちゃんって呼んでるからね・・・」
「いいえ、僕が魔法使いだから分かるんです」
「魔法使い、魔法使いって、あまり大きな声で世間にアピールしてもらっても
困りますけどね・・・」
「って言いますか柑菜さん・・・私のことライトと呼んだんですから次はぜひ
ダーリンって呼んでいただきませんと・・・」
「もう、しつこい・・・ダーリン、ダーリンって」
「めんどくさ・・・もういいじゃん」
「呼んでくれって言ってるんだから呼んであげたら?ダーリンって」
「伊奈ちゃんまで、そんな・・・」
「そうなんだ・・・いるんだ魔法使いなんて・・・」
「この世に魔法使いがいるなんて知らなかった、ウソみたい・・・」
伊奈ちゃんも私と同じこと言った。
伊奈ちゃんはなんとなくだけど、納得したのか?してないのか?
「次、柑菜んちに来た時は、あんたたちきっちりくっついてそうね」
「それはそれで楽しみだわ・・・」
そう言って伊奈ちゃんは帰って行った。
はじめて会ったばかりの他人で独身の男性が年頃の私の家にいるなんてありえないし、どう対処したらいいのか分からないまま、追い出すわけにもいかなくて、
しばらく様子を見ることになった。
イケメン君に弱いお母さんはライトがうちに居座ることを案外喜んでたりしてる。
目をキラキラ輝かせて、乙女みたいに・・・。
なにか勘違いしてない?
(ライトはお母さんの彼氏じゃなくて私の彼氏だからね)
・・・って・・・私なに言ってるんだろ?・・・私、お母さんにヤキモチ?
私はまだライトが私の彼氏だって認めたわけじゃないのに・・・。
つづく。
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