第5話:騙されてない?この人に・・・。

お母さんはライト君の話を聞いて狐につままれたような顔をしていた。

って言うか、お母さんはイケメンにめちゃ弱いんだから・・・。


で、私がカフェにいないもんだから伊奈ちゃんから私のスマホに連絡が入った。


柑菜かんな?・・・今どこにいるの?」


「ごめん・・・今、私の家にいるの」


「家?・・・なんで?」


「カフェに行ったら柑菜が来てないから・・・遅れてるのかなって思って」

「でも、いくら待っても来ないし・・・」

「あんた待ち合わせしてるの、忘れてないよね」


「ちゃんとカフェに行ったよ、私」


「じゃ〜、なんで家にいるのよ?」


「ごめん・・・これには深いわけが・・・」

「あのね・・・私、カフェで知らない男の人に声かけられて・・・」

「で、魔法使いだって言うから・・・」

「証拠見せるからって・・・それで私の家に連れてこられたって言うか・・・」


「あんた・・・なに言ってるの?全然分かんないんだけど・・・」

「ああ、も、いいわ・・・これからあんたんち行くから・・・」


で、30分くらいして伊奈ちゃんが我が家にやってきた。


「柑菜・・・私〜・・・上がるよ」


で、私とお母さん以外に真っ黒ないでたちに真っ白な髪のライトを見て不思議

そうに眉にシワを寄せた。


だから何が言いたそうな伊奈ちゃんに、ことの詳細を説明した。


「こちらはライト・・・え〜と、ラブラドール?・・・」


「それはたぶんワンちゃんの種類でしょ・・・私の名前はラブラド・ライトです・・・柑菜さん」


「あ、ごめんなさい、一度で覚えられなくて」


「いいんですよ柑菜さん」


「あ、そうそう伊奈ちゃんライト君って魔法使いなんだよ」


「魔法使い?・・・まさかね」

「そんなわけないでしょ・・・柑菜もお母さんも騙されてない?この人に・・・」

「魔法使いなんて絵本かファンタジーの世界の人でしょ?」

「ガンダルフみたいな老人なんじゃないの?」

「絶対、騙されてるんだよ」


「失礼な方ですね、あなたのご友人の彼氏をつかまえて詐欺師呼ばわりはいけ

ませんね」


「彼氏って?・・・この人、彼氏って言ってるけど柑菜どうなってるの?・・」


「私、おっけーなんかしたつもりないわよ・・・彼が勝手に彼氏って言ってる

だけだよ」

「この人、私を無視してどんどん先に進めて行くんだもん」

「ついていけないって・・・」


「柑菜さん、私をハズバンドにしたらなにかと重宝しますよ」

「そうしないと柑菜さんは、これからの人生たくさん損をすることになると

思いますし後悔することになると思います・・・」


「ずいぶん強気で勝手なこと言う人ねライトさん」

「柑菜はあんたみたいな詐欺まがいの人となんか彼氏だなんて認めないと

思うわよ」

「そうでしょ・・・柑菜」


つづく。


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