第4話:僕にとって運命的な人。
「だから今の月には多くの魔法使いが住んでるんですよ」
「ただ人間から隔離するために僕たちの生活エリアは
るんです」
「しゃへい・・・しゃへいって?」
「特定の物体を不可視にする魔法技術の一つです」
「人間の肉眼では見えないんです」
「クローキング・デヴァイスなどと呼ぶこともありますけど・・・」
「だから人間がいくら月を探査しようと僕たちの存在は分からないんです」
「人間には見つからないほうがお互いのためですからね。」
「じゃ〜なんでライトさんは、そんな危険を冒してこの地球に来たんですか?」
「それはとても簡単・・・僕は自分のワイフになってくれる女性を探すためです」
「ワイフ?・・・お嫁さん?」
「あの魔法使いの世界にも女性っているんでしょ」
「普通にいますね・・・でも魔法使いですから」
「魔法使いじゃなにか都合が悪いの?」
「魔法使いって言うより魔女ですからね・・・だから怖いんです、怒らせたら」
「魔女なんかと一緒になったら人生捨てるようなもんです」
「なまじ魔法なんか使えない方がいいんですよ女性はね」
「だから、普通の人間の女性を探しにわざわざ地球までやって来たんです」
「で、僕にとって運命的な人を発見したわけです・・・柑菜さん・・・」
「それが私だったんだ・・・」
「あ、そうそう、これからは私のことはライトさんじゃなくてダーリンと
呼んでくだされば・・・」
「カフェにいる時にも言いましたよね、ダーリンって呼んでくださいって・・・」
「ダーリン?・・・結婚もしてないのに?」
「いずれはするでしょ、結婚」
「もう、なに勝手なこと言ってるんですか・・・」
「今後、ダーリンって呼ばないと返事しませんから」
「ほんとに自分勝手な人ね、人の気持ちも理解しようとしないで・・・」
「じゃ〜百歩譲って、ライト君・・・君付けで呼びますから」
「ダーリンって呼べないならライトって呼びすてでけっこうです・・・」
「柑菜さん・・・僕のことキラいですか?」
「そういうこと言ってるんじゃなくて・・・一方的って言ってるの・・・」
「でも、なにも言わないままじゃダメでしょ、ちゃんと言葉をかけて行動で示さないと柑菜さんには気づいてもらえなかったでしょ」
「意中の人と出会っても、声をかけなきゃそこで終わり、愛は生まれないでしょ」
「それはそうだけど・・・」
「ね、お母様、そう思いません?僕なにか間違ったこと言ってます?」
「あ・・・そうね・・・間違ってないと思いますけど・・・」
お母さんはライト君の話を聞いて狐につままれたような顔をしていた。
って言うか、お母さんはイケメンにめちゃ弱いんだから・・・。
つづく。
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