第3話:ライトの信じられないような話。

私、是和伊 柑菜これわい かんなは友達と待ち合わせしてたカフェで、

魔法使いだって名乗る男性に付き合ってくれって声をかけられた。

魔法使いなんて最初は半信半疑だったけど、いきなりカフェの外に連れ出されて、

自分の家を思い浮かべろって言われて気がついたら自分ちの家の前に立っていた。


「うそ・・・なにこれ?」

「ねえ、どうなってるの?・・・」


「私が魔法使いだって証拠をお見せしただけです」

「信じていただけました?、柑菜さん」


「あ〜びっくりした・・・」

「今のって瞬間移動ってのでしょ・・・そんなことできるんですね」

「魔法使いなんてほんとにいるんだ」

「でも、あなたみたいな人が、いるなら他にもたくさんいるってことでしょ、

魔法使いって」


「そうですね、いますよ普通に・・・」


「とにかく家の中に入りましょ、こんなところで立ち話してても

しょうがないから・・・」


納得がいかないまま私は魔法使いさんに私の家に上がってもらった。

私が早くに帰って来たもんだから、お母さんが廊下まで出てきて、

どうしたの?って顔で私を見た。


「柑菜・・・もう帰ってきたの?、今日は伊奈ちゃんとお買い物に行く

んじゃなかった?」


「それがね・・・あの・・・お母さん驚かないでね」


私はそう言うと、私の後ろにいた魔法使いさんをお母さんに紹介した。

隠せないし黙っておくわけにもいかないからね。


紹介って・・・彼氏でもないのに、なんでこんなことになってるのよ。


「あらま、伊奈ちゃんと一緒かと思ったら、こんなイケメンさんとデート

してたの?」


「デートって言うかさ・・・」


「はじめまして、お母様、私は光人ライトって申します・・・光る人って

書きます。

「ささやかながら魔法使いやってます」


「あ、どうもはじめまして・・・光人さん?・・柑菜の母親やってます・・・」

「ところで魔法使いって?」

「面白い冗談言う方ね」


「それがね、冗談じゃないのよ」


「そう、お母様、冗談ではないんですよ」

「ご理解いただくために、いろいろお話しせねばなりませんね」


「座っても?」


「あ、どうぞ」


光人はソファに座ると、自分のことについてしゃべりはじめた。


「まず私の住んでる場所ですが、実は、みなさんよくご存知の月に家があるんです」


「え?・・・月に家があるって?・・・」

「で、もし月に誰かが住んでたら発見されてるでしょ」


「それがバレないようにしてあるんです」

「もう何百年も前からね・・・」


「そもそも、私たち魔法使いは、昔は人間と共存してたんですよ」

「でもね、魔法使いの中にはいい魔法使いばかりじゃなくて、悪い魔法使いも

いたため私たちは、全員脅威とみなされ迫害されたんです」


「それが原因で、あちこちで人間と魔法使いとの間で小競り合いがあったり

しまして・・・」

「そこで偉い魔法使いの方々が魔法使い全員ひきつれて月に移住したんです」


「だから今の月には多くの魔法使いが住んでるんですよ」

「ただ人間から隔離するために私たちの生活エリアは遮蔽しゃへいされて

るんです」


「しゃへい・・・しゃへいって?」


つづく。


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