第6話 孤独な者たち
死ねない。死にたくても死ねない。生きていることが辛い。普通じゃ思えないことだ。普通でいることがそんなに幸せか。たしか俺は学校に行っていなかった時、このままいなくなれればいいのになんて考えていたっけ。俺はそんな
「お兄ちゃん何してるの?」
太陽の光を鬱陶しく感じていると小さな子供が話しかけてきた。金髪で青い目を持っている。おそらく五歳くらいの少年だ。
「僕、ロンっていうんだ。ちょっと離れたところまで村から冒険しに来たんだ!」
近くに村があるのか。助けてもらえないだろうか?そんなわけないか。
「どうしたの?喋れないの?」
俺を見て怖くないのか?もしかしたら何も知らないのかもな。俺はロンに話しかけようとした。こんな姿の自分に話しかけてもらえることが少し嬉しかったからだ。
「ああ。ああああ」
「あははっ。何それ!面白いね」
俺は少し調子が良くなり、
「はははっ。変な人!」
それならこれはどうだと自分の腕の骨を折って、手を一回転して見せた。
「わああ!すごい!もっとやって!」
しょうがない。本当の意味で腕が鳴るぜ。とはいえ怖くないのだろうか?ここまで好奇心旺盛な子に出会ったのは初めてだ。
ロンはすごく喜んだ。俺と話したくなったのか、木の枝を持ってきて彼は言った。
「お喋りできないならここに書いてよ!」
どうやら地面に文字を書いてと言っているようだ。俺の村の文字は通じるのだろうか?俺は試しに(やあ、僕はブルース。君は何処からきたの?)と書いてみた。
「ブルースって言うんだ!僕はあっちの村からきたよ!ブルースは?」
ロンは山がある方を指さして言った。麓に村があるのだろうか?それと言葉が通じている。国は出ていなかったらしい。よかった。俺はロンの質問にどう答えたらいいかわからず、(遠くの村だよ)と書いた。
「遠くの村ってもしかして魔女の村?」
ロンは目を光らせて言った。
(魔女の村って何?)
「昔話に出てくる村だよ!みんなは怖いって言うけど僕はすごく気になるんだ!だからこうやって毎日冒険してるんだ!」
おとぎ話に憧れているようだ。何処かの誰かを思い出す。
(君の村に連れて行ってくれない?)
「いいけど、日が落ちる頃ね。みんな僕を避けるんだ。魔女の子だって言われてる。目が青いだけなのに・・・」
ロンは悲しげな表情を浮かべていた。魔女の子って、村の人も昔話を信じているのか?それはともかくお互い嫌われ者同士ってわけだ。俺はロンを励ましたくなった。
(俺もそうだよ)
「本当?じゃあ僕たち仲間だね!そうだ!僕と友達になろう!」
逆に俺はロンに励まされた。こんなに
(もちろん。いいよ)
「やったー!」
俺たちはその後色々と話し合ったり、遊んだりした。子供の遊びは正直退屈だろうと思うだろうが、今の俺にはそれは抗うつ剤のようだった。話を色々聞いているとどうやらロンの村は俺の村と同じくらいの大きさみたいだ。この更地にも前までは村がいくつかあったらしい。だが科学者がこの土地を占領して村は焼かれ、生き残った人々がロンの村にいるというわけだ。
俺たちは夢中になっているうちに太陽が去っていくのに気づいた。
「そろそろ帰らなきゃ。ブルースも来る?」
少し前の俺は行っても無駄だと決め込んでいただろう。だが、行ってみる価値はあると思った。ここにいても不登校だった時の俺と同じだ。そう思えるくらいには少しだが、立ち直れたのかもしれない。俺は頷き、少年の後をついて行った。地面を這っている影から逃げるように・・・・・・
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