第7話 うぷぷ悟り
うぷぷしながら帰宅。
帰宅途中も目に入るもの全てが念仏のような発音で表してきたので、家に着いたときには口角が上がり笑いを堪えるので必死であった。当然そんなだから嫁も何があったのか聞いてくる。経緯を話し終えてうぷぷとなっている私に冷ややかな目をあてる嫁。なるほど。まぁ予想していた反応である。心底、事務所内でやらなくて良かったと改めて思った。
風呂に入りながら、そもそもなんで念仏とはあのような独特の発音をするのか気がかりで色々調べてはみたものの、全くの謎である。しかし、調べていくうちに、念仏とは釈迦、仏、仏陀のことを褒め称えるというかそれを想い描く為の念であり、昔のお偉い坊さん達が言わなくても心の中で南無阿弥陀仏と想うだけで良いだとか、座禅を組むだけでよいだとか、色々出てきた。
つまり、私がうぷぷと笑っていたのは詳しくは念仏でもなんでもなく、お経に近いものであると考えられた。お経は、釈迦、仏、仏陀、が考えたことを弟子達が忘れぬよう復唱していることであり、分かりやすく言えば、ソクラテスの弁明を世に知らしめたプラトンのごとき所業。もっと分かりやすく言うと、学校で先生が言ったことを復唱している小学生であることが分かった。
そうすると、私のこのうぷぷ念仏はどういう位置関係になるのか?私に弟子はいない。私個人の見解として、世のあらゆる物事を念仏やお経のように読むとうぷぷが止まらず口角が上がり、それが周囲にも影響し、皆うぷぷと少しハッピーになるという好循環が産まれることを発見した私はむしろ、仏に近い存在と言える、つまり悟りを開いたのと同義である。
こうして、思わぬ形で悟りを開き神となった私は、悠々と風呂から上がり、まさに神、ここに降臨せしと神々しいまでに生まれたての身体を見ながら、はあぁみいぃんい~がぁあきぃ~をするのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます