第6話 うぷぷ事務

とりあえず何とか終わらせた。

もう倉庫ではうぷぷ念仏は唱えることはないだろう。

して、事務所内である。陰気。今すぐ念仏唱えてうぷぷな気分でアゲアゲ状態で仕事したいものだが、そうはいかん。倉庫内でアレだけ苦労したのだ。大事な数字を打ち込む事務所内でそれをやったら総スカンを喰らうことはまず間違いなく、それだけならまだしも、溜め息をされたり、あなたは気楽でいいですね等と言われたり、こちとら忙しいのんじゃボケ!と言われ拳骨喰らったりする、そんなことはごめん被りたいもので、なんとなくそうなるかなと思い、念仏唱えるのは止めておくことにした。まったく陰気な連中である。


そんなこと思いながらデスクに着く。今日は付箋処理もそこまで多くはない。1人でポクポク念仏唱えながらやってもいけそうだなとムズムズムラムラしながら頭の中では唱えていた。声に出したくて仕方ない。

付箋処理も終わり、日報書けば今日は終わりである。よっしゃよっしゃ一服して終わりにしよう!と一服しに行く。丁度煙草が切れたので自分の車に取りに行く。駐車場は若干歩く距離にある。この際だ。事務所前まで持ってこよう。マイカーに乗り煙草に火をつけ、来た道を戻る。煙草の火が口の根本までジリジリ攻めてくる。寸前まで吸って、日報を書き込みに事務所内へ戻る。本日起こったことを記入。滞留品完売したこと。今日は調子が良かったこと。皆も念仏唱えると良いよと書こうと思ったが止めた。

家路に着くと、念仏のことで頭が一杯であるので、念仏の成り立ちや、そもそもなんであんな言い方になっているのかよう分からぬことを思い付くまま調べてみようと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る