第4話 うぷぷ帰社
調子良く仕事が進む。うぷぷうぷぷうぷぷのぷ。こんな調子で頬が上がりっぱなしだから、何時もより調子良さそうに見えるのだろう。客先の反応も頗る良い。頗る良いからこちらも更に頬が上がる。そうすると客の反応も良くなる。とにかく好循環。更に賞味期限間近の商品案内をしてこれも完売。念仏唱えずともうぷぷな営業配送が出来た。これはいいと上機嫌で帰社。事務所内は毎度お馴染み陰気である。こちらはせっかくうぷぷな配送して上機嫌なのだが、こうも陰気だと、皆さん念仏唱えてみたら良いと思うが、陰気な雰囲気の中で念仏唱えたら更に陰気になるのでは?と思い、やはりうぷぷ念仏は私だけのものにしたろうと思った。
デスクの上で付箋の処理をする。付箋を念仏風に唱えるとまるで風船と間違ってしまう。不戦勝なんてのも風船賞と間違えてしまう。風船賞ってなんやねん!ティッシュ賞ならぬ風船賞。ショッピングモールとかで客寄せの為の風船渡してるやつ。アレか?等と考えるとまたうぷぷとなる。いかんいかん、陰気な事務所内で1人陽気なうぷぷを出してしまったらそれこそ風船のように浮いてしまう。
うぷぷを堪えながらロッカールームへ。
防寒着を着て倉庫へ移動。ピッキングリストを見て各コースの担当者へ手伝いは何処のコースが良いか聞くと自分のコースであった。慣れ親しんだ自分のコースをやってたのはまだ入りたての20代の主婦であった。入りたてな上、子供も小さく、よく休みがちであるが故、なかなか商品の棚を覚えきれず、また、倉庫も許容量に対してそれ以上の種類豊富な商品を取り揃えるばかりに、本来通路である筈のところに荷物が置いてあったりするもんだから更に狭く、商品棚も主力商品以外は棚に収まりきらずこれもまた通路に置いてあり、棚番をいくら設定してもそこに置くスペースも無いため、毎日が宝探しのような倉庫である。そんな中で慣れた人達は何とか出来るが、入りたてで休みがちな20代の主婦にとっては過酷な労働環境であり、だからこそデータ化して商品を絞り込んでしまえと言っておるのに、会社ときたらこの惨状を見て見ぬふりなのか、最早どうしようもないとタカを括っているのか、一向に是正されず、結果、配送終わりに手伝う羽目となることは10年やっても尚慣れず毎日疲労困憊である。
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