第5話
「よお、枝木、久しぶりだな」
「お久しぶりです、犬飼さん」
枝木と犬飼は高校の先輩後輩の間柄で
一緒に甲子園の夢を追いかけた仲間だった。
日曜のスタバには親子連れや恋人たちが
たくさんいて、にぎやかだった。
「話ってなんですか?」
「なあ、枝木」
「ハイ」
「真向のことどう思う?」
犬飼が身を乗り出して聴いてきた。
「真の事ですか?」
「ああ」
「いい友達です」
「それだけか?」
「そっ、そうです」
二人の間に一瞬の間があった。
「オレは真のことを心から愛している」
「そっ、そうですか」
「大人の愛だ。真がどうであろうとそのことに
偽りはない」
「ええ」
「真をオレから守ってみろ」
「えっ?」
「今日はそれだけをいいにきた」
犬飼が立ち上がり去って行った
「ちょっと、わけわからないんだけど」
枝木はそうつぶやくと、伝票を握り締めて
カウンターに向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます