第3話

「バカヤローっ、真が人気デリヘル嬢

だってとんでもない噂流した張本人は

タナハシ、テメエだろ」

真のボーイフレンド枝木(えだぎ)俊介が

放課後、教室でタナハシの胸倉をつかんで

激しく揺さぶった。

「ちっ、ちげーよ。その噂はどこからともなく

いつからか全校中に広まっていたのでございまーす、

へっへっへっ」

タナハシが不気味な笑顔を作って気味の悪い声を

出しながら、そう喋った。

「チッ」

枝木は怒りを押し殺しながら、タナハシから手を

離した。

「ふーっ、苦しかった。でもな枝木、よーく

覚えておけよ。真を独占しようとなんかしたら

とんでもない目にあうぜ」

タナハシが捨て台詞を残して教室から

出て行った。

「気にすることないよ、枝木。真は

その辺のことにはちゃんとしてるから」

いつの間にか枝木の傍にいた明が枝木に

声を掛けた。

「わかってる。でもあんなひどいうわさ」

枝木が少し涙ぐんだ。

「枝木、アンタ、真のことが本当に好きなんだね」

明がそうつぶやくと、枝木も教室から出て行った。

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