第4話「コンビニ実践」
放課後のコンビニ。レジに並びながら、私は手持ちのお菓子を見つめていた。
「これ、本当に必要かな…」
カゴの中には、いつものように菓子パンやスナック菓子が詰まっている。授業の合間の小腹満たしに、という言い訳付きの買い物。
ふと、スマートフォンを取り出す。例の「目利き」アプリを起動してみた。
```
商品名:チョコ味メロンパン
価格:180円
効果:満腹感+5、幸福度+3
特性:新商品、期間限定
相性:おやつ時
隠れた特性:
- 栄養価:低
- 満足持続時間:短
- 習慣化リスク:中
```
「ふーん…」
次に、となりの棚に並ぶ玄米おにぎりをスキャンしてみる。
```
商品名:手巻き玄米おにぎり
価格:160円
効果:満腹感+12、持続力+8
特性:自然派、栄養バランス良好
相性:軽食向き
隠れた特性:
- 栄養価:高
- 満足持続時間:長
- 予算効率:良
```
「こっちのほうが…いいかも」
迷わず、カゴの中身を入れ替えた。価格はほとんど変わらないのに、得られる価値が全然違う。
レジで会計を済ませ、外に出る。ふと、財布の中の小銭を数えてみる。これまで何気なく使っていた小銭が、今日は違って見える。
「毎日200円の違いは、月で6000円か…」
電卓を叩きながら計算してみる。毎日のちょっとした選択が、こんなに大きな差になるなんて。
その日の帰り道、久しぶりに家計簿アプリを開いてみた。先月までは見るのも怖かった支出記録。でも今は、少し違う。これまでの「当たり前」が、実は「選択」だったことに気づき始めていた。
スマートフォンには、新しい通知が届いていた。
「本日の選択:良好
支出削減:20円
栄養価向上:+15%
継続的な小さな選択が、大きな変化を生みます」
思わず口元が緩む。たった20円の違いなのに、なんだかちょっと誇らしい。
夜、自室で明日の予定を確認しながら、私は小さなノートを取り出した。
「明日からのお買い物ルール:
1. アプリで必ず確認
2. 衝動買いは24時間待つ
3. 価格だけでなく価値を見る」
シンプルな三つのルール。これなら守れそうな気がする。スマートフォンの画面に映る虫眼鏡のアイコンが、優しく光っているような気がした。
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