プロローグ(2) ルルーナ
誰かに囁かれ、起こされたかのようにパチッと目が覚める。目を覚ました私は部屋を見渡し、近くの鏡で自分の姿を確認し「ふうっ」と、ため息が漏れた。
鏡に映るウェーブしたオレンジの髪とブルーの瞳。
「はぁ……小さな手と、子供の頃の姿……私はまた死んで、また戻ってきたのね」
私、公爵令嬢ルルーナ・ダルダニオンは一度目の死から九回も毒で死に、七歳の頃まで時が巻き戻っている。
なぜ毎回、死ぬ原因が「毒」なのかも。
何故、自分が七歳まで巻き戻るのかもわからない。
一度目の人生で愛し婚約者となったカサロに、いいように利用されて私は殺された。
死ぬ間際に、彼は初恋の人ではないと知った。
だから撒き戻りをした二度目、彼から逃げた。
三度目も、四度目、何度巻き戻っても、逃げようとした。
だけど、八度目の死は毒だったが、カサロとの婚約の破棄後でカサロは側にいなかった。
ーー私の死は、カサロが原因じゃない⁉︎
なら、カサロと婚約を破棄して、初恋の人にひとめでもいい会いたい。
初恋の彼に会えたあとで死ぬのなら、それは本望だ。
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