第41話
······はっ!いけない。
ノーマルで当たり障りのない自己紹介をするとついさっき決めたばかりだというのに。
そして即座に笑みを貼り付ける私。
「冴島 尊です。えーっと、趣味は筋トレ。好きな食べ物はトンカツとカレーとササミです!」
「············」
すると清々しいくらいに静まり返る教室。
「あ、れ······?」
まさかの反応無し?ヒィ!都会の子怖い!冷たいッ!!
そんななんとも言えない空気を切り裂くように、ガタッと椅子を引く音が耳を突いた。
音の出処に視線を移すと、そこには犬飼会長と並ぶほどの美形くんが椅子から立ち上がっている。
不良クラスには珍しい黒髪。髪が全く傷んでいないから、きっと染めたことがないんだろう。
普通の高校であれば没個性なその髪色も、このクラスじゃ個性ありまくりだ。
「み、み、み······」
目を見開き、驚きに満ちた表情を向ける彼。
何か言いたげなようだけど、残念ながら彼からは「み」の一文字しか発せられていない。
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