第40話

前傾姿勢になっていた体を起こすと、見渡す限りの鮮やかな色彩たち。




赤、ピンク、緑、金······ それはそれはもう色とりどり。




わ〜!綺麗!ここはお花畑かな〜?




······って、違うわボケ!髪色ド派手過ぎるだろうがッ!!




ようやく今になって、会長があれだけ口を酸っぱくして忠告していた理由がわかった。




変人扱いしてごめんなさい、会長。




「おはーっす。こいつは今日からこのクラスに転校してきたー······えーっと、ほら、あれだ。」


「冴島です。」


「あーそうそう。冴島。ちょいと自己紹介頼むわ。」




そう言って手渡されたチョーク。




黒板に名前を書くのも慣れたものだ。なんてったって五回目ですから。




「ほー。ソンっていうのか。変わった名前だな。」


「み、こ、と、です。」


「あー······それだそれ。」




黙っていれば······さっきからなかなか失礼だな。生徒の名前くらい覚えとけ。




怒りを込めてキッと睨んでやれば面白いくらいに伸びる背筋。




私の名前は、ソンでもスンでもサンでもねぇ!!




"み こ と" だッ!!!

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