第34話

つい最近までピカピカのランドセルを背負っていたかと思えば、今肩にかかっているのは汚れたスポーツバッグ。




今となっては、私の背を軽々と抜かし顔までイケメンに成長して······




「悠真、大きくなったね······!」




これぞ、光陰矢の如し。ううっ、お姉ちゃん泣きそうだよ······!




「······姉貴、頭おかしくなった?」


「おいッ!」




しみじみとしたムードは、空気を読むことを知らない野球バカによってあっけなく破られた。



姉に対してなんて口の利き方だッ!




······あとそんなガチな目で心配しないでくれ弟よ。




「じゃ、俺こっちだから。」




グダグダと話しながら歩いていると、もう中等部と高等部の分かれ道に到着。




「あ、ちょっと待って悠真!筆箱忘れてない?お弁当持った?あ、あと教科書は······」


「うるさい。姉貴は過保護過ぎ。父さんみたい。」


「と、父さん!?」

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