【祝】転校!

第33話


5月初週。




無事に転入試験を終え、宵と涙の別れ(宵がひたすら号泣してただけ)をしてから丸二日が経った。


最初こそ不安に押し潰されそうだったけど、宵からのプレゼントやクラスの人達からの色紙に勇気を貰って胸がいっぱいになって。


私が壁を作らなかったらもっと仲良くなれてたのかな。




…でもクヨクヨなんてしてられない。


一から、始めるんだ。この新しい地で。






「お父さんさ、今日何回お母さんに『"宗介くん"って呼んで♡』言った?」


「少なくとも6回」


「うわ…気持ち悪~…」


「やめとけ。それ聞いたら父さん泣くぞ」




苦笑いを浮かべる彼は、私の弟である悠真。またの名を脳筋野球バカという。

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