第27話



「あいよ。入って座っとけー」


「うわっなんじゃこれ······」





部屋に入ると、白くてフカフカな触り心地の絨毯じゅうたん




この模様······ペルシャ柄?だっけ。······ひいっ!お高そうな匂いがプンプンする!




学校の敷地内にあるとは思えないほど豪華絢爛な佇まい。




なぜここで試験をやることにしたのか。切実に理由を教えてくれ。




この雰囲気に私という存在を組み込むのは恐れ多いが、「座っとけ」と言われた手前、近くにあったイスにちょこんと腰掛けた。




······こんなにお行儀よく座ったのは小学校の入学式以来だ。




そんな私をクククッ、と喉を鳴らしながら面白そうに見つめる先生は、さも当たり前かのように高価そうなティーカップにお湯を注いでいる。




そしてそのティーカップは目の前でカチャリ、と音を立てた。




「問題取ってくっから。茶でも飲んでちょっと待ってろ。」




······おいおいちょっと待て。




なぜお茶?今から試験受けるんだよね?お茶会開かれるわけじゃないよね?




「······わかりました。」




しぶしぶ了解した私だが、やはり疑問は増える一方であった。

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