第26話

「ちょ、ちょっと待ってください!」


「······立ってるのダルいから手短に頼むわー」




わかってます先生。




呼び止めたのにはちゃんとした訳がある。




それは、




足元に見えるはずのないものが見えてしまったから。




「こんな高そうなカーペットが敷いてあるのになんで土足なんですか!?」


「さー?俺も知らん。あいつらが土足好きなんじゃないか?」


「はあ!?」




犬飼会長しか知らない私に「あいつら」と言って通じるわけがないじゃないか。




······まあ、こんな豪華な場所をなんの躊躇もなく土足で歩けるのだから正常な人たちではないのは確かだけど。




「早くしないと置いてくぞー」


「ま、待ってくださいよ!」




やっぱりこの学校は変わった人ばかりみたいだ。

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