第22話
「あ、あそこ。あれが試験会場だよ。」
私からの訝しげな視線を華麗に無視して、建物を指差す会ちょ······いや、モンスター。
「あ、あの赤い屋根の······ですか?」
「そうそう!」
なんだあの建物は。教室······じゃなさそうだし、体育館なわけでもなさそう。
「じゃあ、試験頑張ってね。僕は仕事があるからこれで。」
「······は?」
そう言って私を立たせると、ヒラヒラと手を振りながらそのまま颯爽と来た道を引き返していった。
「うそ、でしょ······!?」
無慈悲とはこのことだ。
どうやら、この人の頭には"アフターケア"という言葉が欠落しているらしい。
······この学校、ホントに大丈夫なのか心配になってきたんだけど。
「はぁ······とりあえず歩くか······」
仕方がない。いくらグロッキー状態とはいえ、今後を左右する試験に遅れるわけにはいかないのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます