第20話

「赤札とは絶対に関わらない方がいい。」


「赤札······?」


「そう。"RED CARD"、通称『赤札』。恥ずかしい話なんだけど、暴力沙汰を起こすような人たちでね。」


「暴力沙汰、って······」




······ちょっとマイルドに言ってるけどそれ、いわゆる"不良"ですよね?




そう口にしようと先輩を見ると、わなわなと拳を震わせ、さっきとは明らかに違った雰囲気を身に纏っている。




「主にBクラスを中心としているんだけど、今は特進クラスにまで手を広げて······」




ギリギリと歯を食いしばり怒りを露わにするその姿に、さっきまでの美しい王子のような面影はない。




「······きゅ、急にどうしました会長?」


「ああ、そうだ······あいつらを真っ白に染め直すことが僕の責務だ!」


「ちょっ、あの、えっ」


「必ずやこの手で、一人残らず滅してみせる······!」


「あ、あのー」


「冴島さん!間違ってもBクラスなんかに行っちゃダメだよ!?」

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