第19話

「─────────さ······ん、冴島さーん?」


「······はっ!」




ようやく我に返ると、目の前には私の顔を覗き込む会長のご尊顔が。




息がかかるほど近いその距離に心臓が一気に跳ね上がる。




「すすすすみません、そ、その······意識が飛んでて!」




「意識······?」とキョトン顔の会長を直視するのさえ今は恥ずかしい。




すぐに距離を取ったものの、未だバクバクな心臓。




今ので寿命、かなり縮まったんじゃないか······?




「ところで冴島さん。一つだけ、注意しておいて欲しいことがあるんだ。」


「······? はい。」




そう言った会長の顔は真剣そのもの。




タダでさえ麗しいお顔がより一層キリッと引き締まって、また別の意味で心臓が高鳴った。

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