第9話
パタン、と音を立てて閉まるドア。
その音にふと寂しさを感じて家を見上げた。
何の変哲もない、普通の一軒家。
転勤族のクセになぜ一軒家を買うのか。お父さんの考えは到底理解できないけど。
改めて家を見ていると、なんだか心に穴が空いたような気分になって。
ああ、もうこの家ともお別れか。部屋大きいし、結構気に入ってたんだけどな。
······って、今更暗い気持ちになってどうする。こんなの慣れっこじゃないか。
咄嗟にパシンと頬を叩いて気を引き締め直す。
そして頭に浮かぶのは一つ。
━━━━さあ、あの子にはなんて切り出そうか。
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