第8話
するとタタタッと小走りで駆けてくるお母さん。
その額には少しだけ汗が滲んでいる。
「ごめんね尊。転校ばっかりさせて。」
眉を下げて申し訳なさそうな顔をするお母さんに、何故かこっちまでいたたまれなくなってきてしまう。
「いいのいいの。逆に考えれば人より色んな学校に行ける、ってことでしょ?」
「······ふふっ、尊らしいわね。」
「そうかな?」
「そうよ。」
そりゃ転校ばかりしてたら嫌でも慣れるというか。悲しんでも無駄なこと分かってるし。
「来週には引越しだから、残りの高校生活は大事に過ごしなさいね。」
「はーい。じゃ、いってきます。」
「いってらっしゃい。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます