第8話

”止まれ”



そう思えば思うほど、今まで溜め込んでいた涙はあふれて止まらなくなる。


涙と比例するようにテレビからの歓声が大きくなって、人がこんなに悩んでいるのにいいご身分だな、なんて捻くれたことを思ってしまう。


それでもやはり好奇心には勝てないわけで。

私は反射的にテレビへと視線を移した。




「え、えんぺらー?」




映し出されていたのは、おとぎ話の王子様を彷彿とさせるような美少年たち。その中でも一際輝く、雪のようなホワイトの髪を揺らす少年に目を奪われた。




「好きだ、この人」

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