第7話 エルフ集落作戦会議
二階に移動した。
サミエラとエルフのリンが会話していた。
「ハンネ(サミエラ)、治してくれてありがとう」
「いえ、助け合わないとこの世界生きてけないですよ」
ポイズンバットの毒を解毒したようだ。
「そうだ、授業はどうだった?」
「面白かったですよ。エルフたちがこんなにも幼いころから大人たちに魔物や魔法について教えてもらっているのが興味深かったです。
それになんだか同年代と過ごして楽しかったですね」
「そうよかったわ。私の妹のランも元気にしてた?」
「妹さんだったんですね。とても熱心に取り組んでいましたよ」
「ああ見えて一番悔しがり屋で頑張り屋さんなの。仲良くしてあげてね。
あと数日だけここから少し進んだところに客用に住める少し小さめの小屋があるからそこにいてもいいですよ。
ここはエルフの子供の教育ができる学び舎集落になっているのですよ」
「他に住んでいる地域はないんですか?」
「あるけど、ごめんなさい。部外者の人たちには教えられないわ。では私はそろそろパロロールに戻るわ」
そう言って出ていった。
少し時間をおいてから話し出した。
「やはりあいつら口が堅いねー。
ちなみに潜入する前に話した通り、君のことはソラ、私はハンネ、バンはハンスってことにしてるから。
ちなみに設定は君は孤児で私たち二人は育ての父と母で3人家族ってことにしたよ。
外に出ていたみたいだけどどんなことをしていたの?」
「魔法や今手に持っている弓を使った魔物の倒し方を学んだりしました。
すごいですね。
エルフの子供たちはあたりが暗くなってきても遠くの動いている魔物めがけて矢をかなりの確率で当てました」
「彼らは発達した耳を持っている。それを用いれば造作もない」
初めてバンが発言した。ここまでしゃべらなかったので驚いた。
「彼は昔ここに来たことがあるからね。
その時はオオカミの姿で魔の森を見に回っていただけだけどね。
音で位置を把握しているから夜に襲撃されても大丈夫ってことだろ」
「そういえば彼らは仲間に非常事態を知らせるための手段として笛を使っていました」
「それは聞いたことがある。
ドワーフが作った道具と聞いている。
なんでもエルフに聞こえる音だけを発するらしい。
彼らの聞こえる音域の方が大きいからな。」
「どういう意味ですか?」
「まあ、とにかく彼らは情報の伝達手段として用いているわけさ。
高い音なら遠くまで聞こえるから、集落を分散していてもある程度連携して行動できるわけさ。
これが彼らが今まで少数民族でありながら脅威に対処できた理由だな。
おそらく収集した情報を分析して舞台に指示を出す作戦本部の役割を果たす集落がある」
「彼らの魔物探知能力と情報を秘匿して味方だけに情報を伝え統制をとれることがエルフたちの強みということですよね。」
「ちなみに今のリンを治療中に私の血も微小ながら包帯につけたからリンの位置が分かるようになっている。
まあそういったエルフの上層部がいる場所に運よく行ってくれたら楽なんだけどね」
私は少し考えてから言った。
「思ったんですけどエルフには雨天に襲撃すればいいんじゃないですか」
「ああ、実は私たち魔族もそう考えている。
大雨で風も吹いていたら、聴覚で敵を探知することも笛の音を聞くこともできなくなるからだろう。
それにソフィーが率いる蛇の軍団も、悪天候でも熱で探知しているのでこちらだけ敵の位置が分かるというアドバンテージを得ることができるだろう。
エルフの戦力がどんなものか知れるいい機会だろう」
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