第4話 メデューサ族のソフィー

 私と吸血鬼のサミエラ、狼男のバンは魔族領の南側の領地まで来ていた。


「これから具体的にどんな任務を行うですか」

「ここは魔族メデューサのソフィーの領地だ。

魔の森に隣接しているよ。

これから行う具体的な任務はそのソフィーから話を聞いてから決める。

もうそろそろ彼女に会えるよ」


 移動をほぼ休みなく続けてきたのでもうあたりは真っ暗になっていた。


「こんなに暗いのに二人はよく道が分かりますね」

「吸血鬼も狼男も夜目は効く方だからね。場所はここら辺かな」

「真っ暗だし、木々が生い茂っていてあちらは私たちのことが分かるんですか」

「それは心配ないよ。なぜなら・・」


 その瞬間茂みから人の体くらいでかい蛇が私めがけて襲ってきた。

頭の方めがけて突っ込んできたので、急いで右腕をドラゴンの腕に変化させて防御する。

そのまま蛇の首をつかんだが、尻尾を勢いよく振られて横っ腹にあたり吹っ飛ばされてしまった。


「だめだよ。魔族領内だろうが警戒しないと」


 そこには一人のメデューサが立っていた。

外見は美しい女性に見える。

髪が蛇であることを除いては。

目だけを隠すように黒い布で目隠しをしていることも特徴的だった。


「彼女がソフィー、少々手荒な所があるがこれでも優秀な魔族だ。」

「魔族にはこんな変わり者しかいないんですか。」


 私の発言は無視されそのまま進んだ。


「この先は魔の森と呼ばれている所で、地面には多数の魔物がいる。

高い木々があるのが特徴でその木々の上の方にはエルフの集落がある。

エルフは木々の上を生活圏にしているから、木を登ってくる魔物や飛行する魔物、遠距離攻撃できる魔法使いなどは潜在的脅威のして積極的に狩りつくされる。

例えどんな種族だろうと。現に君を襲わせたボア・スネークも木をよく登れるので抹殺対象として発見されたら狩られる。

こいつらがいるせいで私たちの軍勢は魔の森を通って人間の国へ進軍することができない」


「ならば別の魔物例えばゴブリンを引き連れて、進行すればエルフたちに攻撃されずに済むのではないでしょうか」

「だとしても指揮官として魔族の大概は強い魔法が使えたり、高い場所まで攻撃可能な能力があるためエルフたちに排除される。

指揮官不在の魔物の有象無象なんかあっという間に人間たちに倒される」

「かといって、人間側も魔法を使える人材はエルフの抹殺対象になるから送れない。

要はエルフは閉鎖的で自分たちのテリトリーで脅威と判断した生物を問答無用で攻撃するから、進軍する軍の攻撃力をそぎ落とすフィルターとして作用しているため、人族・魔族双方大規模な攻撃をできていないというのが現状だね」


「高い木々への攻撃が可能生な魔物と魔族は姿で区別できると思いますが、入ってくる人で魔法使いかどうかはどうやって区別しているんですか?」

「以前、魔法使いの攻撃がエルフの集落を攻撃してしまったことがあるらしくてね。

それ以降は魔法使いの所属を人側が管理して、強力な魔法を使える人間を魔の森に入らせないようにしているんだよ。

ちなみに管理しているのは魔の森に接している国のギルド連合国だ。

ギルドと呼ばれている場所で国内にいる人物の能力や特性など詳細を管理しているらしい。

ギルドはたくさんの依頼を受注して集まった人が依頼をこなしているから強い魔法使い以外は魔の森にいたりするよ。

今回はエルフの集落について調べた後にギルド連合国にも行こうと考えている」


 人の国にまず潜入すると思ったが、その前に閉鎖的なエルフの集落について私たちが調べるのか。

かなり難易度が高そうだが大丈夫だろうか。


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